ハミルトン [DVD]
スウェーデン映画といえば、やはり、ベルイマンという大芸術家をまず語るべきだが、アクション物では、かなり昔に「刑事マルティンベッグ」という映画をTVで見て、非常に面白かった記憶がある。やたら銃を撃ちまくるだけで、、ワンパターンの展開と役者の人間的魅力ゼロの演出にうんざりすることの多いアメリカ製アクション物に比べると、イギリスを中心にヨーロッパ製には、脚本のひねりと人物(役者)の魅力に助けられて面白く見ることができるものが
佳作ながらある。おそらく、ヨーロッパの町並みの魅力もあるし、そこに住む人間の表情に魅力があるからだろう。この「ハミルトン」も、まず主役を任せられないような特異な風貌の役者が、軍人としての特命を受け、007並みの活躍をする。舞台も、本国、ロシア、シベリア、中近東と移り変わって飽きさせず、戦闘シーンもそれぞれ凝った設定で刺激的である。
ザ・サイレント・コーナー・アンド・ジ・エンプティ・ステージ(紙ジャケット仕様)
74年リリースのソロ3作目。数多い彼の作品の中でもとりわけ絶望的な仕上がり。
初っ端「Modern」からもう救われない。とことんダーク且つ非現実的なサウンドの上で遊ぶ
これまたおよそ常人じゃない歌声。もうね恐いよ。全体的にそうだよ。
別冊カドカワtreasureVOL.1 総力特集 プログレッシヴ・ロック 日本人に愛される理由 62484‐49 (ムック)
プログレのディスクガイドはあまたでているからなかなか差別化は難しいでしょうね。本書では、五大バンドを中心に名盤を解説。賛否両論の1枚や隠れ名盤など、これまでのものとの違いをだそうと工夫はしていますね。プログレ好きといっても五大バンドどまりの人も多いだろうから、そういう意味では、このディスクガイドは使えると言ってもいいかもしれません。前半のインタビュー集はそれぞれがプログレへの熱い想いを語っていて、読み応え十分。椹木さんの解説やドリアン助川さんの歌詞解説は秀逸でした。プログレを少しかじった人、これから聞きたい人にオススメです。
ネイディアーズ・ビッグ・チャンス(紙ジャケット仕様)
ハミルの数ある作品の中では、代表作ではないのかもしれないが、私はこの作品を一番聴いてきた。このアルバムの魅力は、パンクやニューウエーブ・ブームに便乗した・・という表層的なものではなく、ピーター・ハミルという男の、社会への叫びや生命力が、非常に躍動感あふれる、凶暴でモダーンなサウンドに乗って表現されているところだろう。バンドのメンツはVDGGとさほど違わないのに、ハミルの作品にしては音がやたらデカくて、ヘヴィーだ。楽曲も秀逸。心からおすすめします。
フールズ・メイト(紙ジャケット仕様)
ようやく予約していた「フールズ・メイト」の紙ジャケット版が届いた。
ボーナストラック五曲はモノラルだが必聴だ。「リ・アウェイクニング」の後半部のハミルの高揚し、感情移入過多になってしまった様子は必ずや君の微笑みを誘い、またお気にも召すことだろう。
ジャケット、盤ともにオリジナルを復刻しているようだ
(内側にはハミルがグランド・ピアノに向かっているカラー写真が配される)。
赤岩和美、ハミルのコメント(原文/和訳)等のライナーノーツも入る。
しかし、このような名盤が一般的評価を得ることなく世に埋もれていていいのだろうか?