日本の歴史的演説
歴史上、優秀な人物とされながら、なぜか不遇だった人がいる。
逆に、今日からみて疑問符をつけたくなる人物が、なぜか当時は、
カリスマだったこともある。
それらを説明する一つのカギは、やはり話し方であろう。
高橋是清や中野正剛は、その話し方を聞くと、
なんとも聞き取りにくい、妙な話し方をしている。
人物や見識には大いに評価すべきところはあったが、
両者とも最後に非業の死をとげた。
逆に、松岡洋右や近衛文麿は聞き惚れてしまうと言っていい。
内容を十分に吟味しなければ、彼らこそ困難を解決できる
英雄だと思いたくなるような見事な話しっぷりである。
だが、その後の彼らが導いた結果は言うまでもない。
今の時代も、なぜか正しい意見が認められず、
間違った意見が幅を利かせることはあるだろう。
歴史上の人物の話し方や声の質に触れてみると、
なぜそのような理不尽なことが起きるのか、
その一端を知ることができるのではないか。
その意味でもこれは貴重な音声資料を集めたCDであり、
値段以上の価値がある商品である。
日本の歴史的演説~政治家・大正時代編~
内容はタイトルに同じ。日本近代史における歴史上の人物たちの
肉声を余すところなく収録したCDです。
一通り聴いた限りでは永井柳太郎が一番演説慣れしているというか
聴き取りやすい話し方です。その他の人たちは話し方が不明瞭だったり
(音盤の状態に起因するものもあるが)噛んだりしているものもあって
面白いです。
解説書については各人のプロフィールが1ページづつあるだけであり、演説の
背景とか音源に関する話題はありません。
大まかな音源データは「SP盤貴重音源 岡田コレクション」 の
ホームページで参照できます。
元勲・財閥の邸宅―伊藤博文、山縣有朋、西園寺公望、三井、岩崎、住友…の邸宅・別邸20 (JTBキャンブックス 文学歴史 26)
京都に建つ山縣有朋の無鄰菴、明治村に移された西郷従道の洋風邸宅、江戸東京たてもの園に移築の三井八郎右衛門邸……。
明治の元勲の邸宅をはじめ、贅を尽くした財閥の別邸、さらに大正期の政治家の旧居など、現在も残る「貴顕の館」20ヶ所が美しい写真で紹介されています。
文章も建築主のエピソードや蘊蓄がバランスよく盛り込まれ、読みやすく仕上がっています。
この手の本にありがちな、こまごまとした建築意匠ばかり取り上げるのではなく、全景や周囲のロケーションもしっかり紹介されており、大変好感が持てました。
よい目配りがなされた一冊だと思います。
円を創った男―小説・大隈重信 (文春文庫)
大隈重信といえば、明治の首相のひとりであり、早稲田大学の創設者でもある。しかし、明治初期の参議としての活躍を、あまり知らない。(多くの人がそうではないか。) …本書は、大隈のこのあたりの活躍と、彼の偉大さを、私たちに教えてくれる。
彼は、外交交渉や、旧幕勢力の彰義隊の打破等をきっかけにして、その政策能力を武器に筆頭参議に上り詰めた。特に、彼の幣制改革は、「円」の導入において日本の方向性を決定づける政策となった。
ところで、外交や経済というのは、近代史においては重要なテーマのひとつにもかかわらず、歴史評価が難しいのだろう。大隈が、政府の中心的人物であったにもかかわらず、目立たないのはそのような理由によるのだろうと思うがどうだろうか?
それを、本書を読んで感じた。…ともあれ、本書によって彼の偉大さを理解できたことは、私にとって大きな収穫だった。
日経 おとなの OFF (オフ) 2012年 04月号 [雑誌]
早慶の歴史から著名な出身者、豆知識まで何でも書いてあります。
誇り懐かしむOBが買って読んでもよし。在学生が自分の学校を知るために読むのもよし。
受験生がモチベーションアップに見るのにも最適です(落ちたら苦しみを増幅させそうですが)。
受験生、在学生の保護者にも是非読んでほしいですね。
内容が充実していて、一般の方々が読んでも面白いと思います。
六大学野球ファンなんかにもオススメです。
ただ国立大や早慶ICUレベル以下の出身の人が読むと不快かも。