アイの物語 (角川文庫)
小説は好きですが、小説で泣く事はほとんど無い私。
特に有りがちな人間讃歌的内容や、感動のハッピーエンドには(映画だと演技や音楽でつい泣いてしまう事はありますが)泣くより逆にしらけてしまう方が多いです。
多分、ストーリーに感動するよりも文体に惹かれたり文章そのものの美しさを重視するタイプなので。この本も書評や装丁に惹かれて読み始めたものの、前半はほとんど退屈でした。
"マシンがヒトに反旗を翻し、人工が減って文明も退廃した未来の地球"という設定もありがちだし、アイビスというアンドロイドが少年に「フィクションである物語」を話して聞かせながら進行していくんだけど、作中で語られる物語達もありがちSF的設定だったのと文章もシンプルなので少しつまらなさを感じて、前半部分読んだ時点でもう読むのやめようかとも思いました。けど第六話の「詩音が来た日」からはもう、止まらないです。一気に読んでしまいました。
それまで退屈に思えていた個々のストーリー達も、最後には必要不可欠のピースとして繋がった瞬間、この本の構成力の高さに驚かされました。
SFで何万回と使われ続けてきた「ヒトとマシンの共存」というモチーフを敢えて使って創られた世界。その狭い世界で最後にアイビスは言います。「私たちはみんなフィクションから生まれた。ヒトの夢、フィクションの海は、私たちのふるさとなのよ―(ここから先の台詞は是非本を手にして読んで下さい!)」この瞬間、世界中のあらゆる物語がこの言葉に救われました。
てゆうか私も普通に感動して泣いてしまった―ヤバイです、普通にお薦め。
本当、アイの物語。
アーケードゲーマーふぶき(2) 2nd STAGE「奪われたPP」 [VHS]
そりゃそうですね。
本編も短いですし、戦う相手も決まっているような成り行きですから。
巻末おまけの時間にふぶきの声の人の野川さくらのイメージビデオを収録させるのは
どうだろうかと思うが、それも良いだろう。
広帯域ハンディレシーバー IC-R6
久しぶりに広帯域受信機を購入。自治体補助で購入した専用受信機68MHz帯のロッドアンテナで受信感度が悪い時があるので半年後の転居予定をふまえて受信状態を把握するために購入してみた。もちろん専用受信機は移転先自治体の周波数に変更して使います。専用機との比較ですが(メーカーは割愛します)、IC-R6は、確かに評判通りに感度はアマ無線機並に素晴らしかった。受信ANTは付属の専用ANTでしたが自作の3DFV同軸ケーブルで自作した垂直ダイポールANTと差し替えても試したが付属ANTで十分受信できた。CHスキャン速度も速く何局かfスキャンして受信するにも問題ない。電池の寿命も思ったより長く驚き。なお、購入した受信機は価格が安かった(年始特価??)ので裏蓋を外して改造しようとしたら既に改造済みであり手間が省けて助かりました。固定で使うにはバッテリーチャージャースタンドがあったほうが便利です。
他のバンドも受信感度抜群です。メモリー書き換えようソフトにMac用があれば大満足でしたが....この受信機は遊び用にもお薦めです。
ドカベン [DVD]
AMAZONのおすすめDVDを眺めていたら突然目に留まり「おおっ!」小学生の頃東映マンガ祭りの予告編で見て以来、あのマッハ文朱が夏子はん役で岩鬼を投げ飛ばす豪快なシーンが忘れられずにいたのです。早速購入して見てみたのですがこれは突っ込み所満載。剣道やボクシング等の諸部員はおっさん顔で絶対に中学生に見えません(中でもわびすけが一番老け顔)。川谷拓三の殿馬や永島敏行は何度となくネタになり、影丸は崩れた沢田研二というか城みちる似というか…(しかしこの清水審大も永島敏行と同じく本作がデビューですが息の長い俳優になっているようですね)。それでも東映の俳優さん達がプロの仕事をして照れもなく勢いがあってさすがです。
全国公募で選ばれた高品正広は見事な岩鬼役で、これ程までにマンガの岩鬼を再現し得たことが奇跡に近いと思えます。断トツに高い背丈、天井を突き抜け電車より速く走り、サンマをマンガの岩鬼同様骨まで食べてしまう。バンカラ風でありながら人情味あって憎めない雰囲気なのもそうです。本当に大熱演で、これを見るためだけでもこのDVDを買う価値があります。東映はよっぽど高品岩鬼に惚れ込んだのか、このキャラクターを「大鉄人17」で岩山鉄五郎として直接流用しています。
監督の鈴木さんは藤純子の緋牡丹シリーズやトラック野郎の監督として著名で、この映画もマンガの人気を当て込んで作ったものだと思います。岩鬼に限らずこれ程マンガの登場人物達を見事に再現して第一作目としては素晴らしいキャラ立ちの手腕です(ただし不入りだったのか次作は作られませんでしたが)。そして水島新司がスポ根物語にアンチテーゼを投げかけた世界観を良く理解し、その逆転価値を最も体現する岩鬼を最高の形で造形し、息長く活躍する俳優陣を何人か輩出せしめたのは東映と監督の力量そのもの。好事家の好奇対象の作品ではありません。立派な娯楽ムービーです。プロの仕事をどうぞ。