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フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))
その名を知らぬものがいないほどフランケンシュタインは有名ですが、原作としてはマイナーです。フランケンシュタインは映画で有名になったらしいです。著者は、メアリー・シェリーという女流作家で、「フランケンシュタイン」のほかにはほとんど作品がありません。17歳で駆け落ちし、18歳で出産し、19歳から「フランケンシュタイン」の執筆に取りかかるという、かなり早熟な人(?)のようです。
主人公の若き科学者であるヴィクター・フランケンシュタインは、科学信仰と真理探究の果てに人造人間(怪物)を作り上げます。俗に言うフランケンシュタインとは、主人公ヴィクターの名前であり、この怪物には「名前」がありません。フランケンというと藤子不二雄の怪物くんの「フンガー」のイメージがありますが、原作の怪物はかなり口達者です。ヴィクターは、生命の神秘に対する探究心から怪物を創り上げたものの、完成と同時にそれを嫌悪し、「なかったこと(捨て子)」にします。そんなある日、ヴィクターの幼い弟が殺されます。このとき、ヴィクターは怪物への激しい憎悪にかられます。そして再会する怪物とヴィクター。
醜い怪物は、自分が放浪の果てにいろいろな知識を得たこと、人の真情が欲しくてよかれと思うことをしても人からは憎しみしか受けなかったこと、そのように生まれた世界唯一の人造人間としての絶望的な孤独に陥っていること、をヴィクターに訴えます。「人がおれを蔑むとき、そいつを敬わなきゃならんのか?」と怪物なりの論理を訴え、「伴侶を作って欲しい」とヴィクターに頼みます。怪物を憐れみ、これ以上の犠牲を出さないため、ヴィクターは女怪物をつくることにいったんは同意しますが、結局、完成前に女怪物の体を破壊します。これが怪物の怒りに火をつけ、怪物はヴィクターの親友と許嫁を殺害します。伴侶を得られなかった怪物と伴侶を失ったヴィクターは、それぞれ、激しい孤独と激しい罪悪感に苦しみます。そして二人とも激しい復讐心をもつことになります。ヴィクターは怪物を北の果てまで追いかけますがついにそこで息を引き取ります。怪物は、ヴィクターの死を確認すると、自分は地球の最北で死ぬと宣言し、やがて消えていきます。
怪物にとってヴィクターは親であり、もっとも理解して欲しい人だったのかもしれません。知識探求の果てに一方は孤独により、他方は罪悪感により悲しい結末を迎えます。ヴィクターと怪物がお互いに憎み合いながらも協奏する、恐怖小説というよりは、「アルジャーノンに花束を」の「知ることの悲しさ」にも通じるようなせつなさがあります。
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Case-Mate iPhone 4S / 4 CREATURES: Waddler Case, Black クリーチャーズ ワドラー ペンギン シリコン ケース, ブラック CM015590
可愛すぎる!
ペンギンなのに子供っぽくなくスマートなデザイン。
ひねりのあるものが好きな私にはぴったりでした!
パッと見ペンギンとは分らないところも良く、
ずっと話していた友達がある日いきなり
『これ、ペンギンだったんだ!』と気づいてくれることもありました。笑
カメラ部分がペンギンの目になっていて、
黒iPhoneだとちょっとイジワルな表情に、
白iPhoneだとカワイイ感じになります。
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Frankenstein (Oxford Bookworms, Level 3)
あまりにも有名な作品であるにも関わらず未読のため、訓練がてら読んでみようと思い購入した。
予想以上に面白くて、引き込まれるように一気に読んでしまった。
Rewriteなので原作とは異なる点もたくさんあるのかもしれないが、まずは満足。
いずれ原作(もちろん最初は翻訳から…)を手に取ってみようと思う。
易しい英語で書かれているので、中学3年〜高校1年くらいの英語が身に付いていれば十分読めるのでは。
緊迫感のあるストーリーなので興味を持って読み進められるだろう。
(余談だがこういった「読んでいて楽しい」作品をどうしてもっと教科書に採用しないのかなと、いつも不思議に思う。
過去に10年ほど中高生の英語教育に携わり様々な教科書を見てきたが、英文学の魅力ある作品を載せたものはほとんど見なかった。)
本書は挿絵がとても良かった。
何だかとても独特で、「雰囲気のある絵」としか表現出来ないのだが、黒の濃淡と白い無数の筋を上手に使った作画からは
怪物の得体の知れなさや人々の恐怖が非常によく醸し出されている。
こういった特に高価でもない本にはちょっと不似合いなほどの現代アート風な挿絵のおかげで、物語がさらに怖く、面白くなっている。
その後様々な『Frankenstein』(※リーダー教材に限る)を見比べたが、挿絵の美しさは現時点では本書が一番な気がする。
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フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)
解説では、「すでにクローンが次々とつくられている今日では、人間を人為的に生み出すことも夢ではなくなっている」というように、クローンに関する問題をこの小説と結び付け論じている。
重要な問題であることは間違いないが、この小説に「造られた人間の話」としてだけのイメージを抱いてしまうのは避けたいところだ(もちろん、クローン問題を考える際にこの小説が登場することを批判しているつもりは無い)。
ヴィクターはともかくとして、その先の登場人物たちが怪物を恐れたのは、必ずしも怪物が人造人間だったからではないだろう。怪物が残酷な行動をとったのも、怪物が人造人間だったからではないだろう。というか、人造人間だということを知らない人がほとんどだ。極端なことを言えば、彼の容貌が不気味だったからではないか?
もしそうだとすると、怪物の容姿が一般人と同じであれば、彼はあんな行動に走ることも無かったのかもしれない。ということは・・・
「あるいは現代のプロメテウス」という副題からも見られるように、この小説に人が人を作ることへの忌避や、行き過ぎた科学技術への批判が込められていることは疑いの余地が無い。確かに、怪物を生み出したのは間違いなく科学技術によるものだが、怪物が持つ残忍な心を生み出したのは、一体何だったのだろうか。