黒いオルフェ~ベスト・オブ・ボサノヴァ・ギター
スタンゲッツがボサノバをジャズシーンで紹介した解きの新鮮な思いからすると、既にボサノバそのものは十分に市民権を得て、悪くいえば普通のものになった、と言っていいだろう。
と言うことで、このごろ余りボサノバには興味がなかった。
ところがどうでしょう、下のレビュアー↓のamonのおすすめで聴いてみれば。。。
面白い事に、曲そのものは思いっきりオーソドックスで、ジャズから映画音楽、ボサノバの枠にとらわれない名曲ばかりと言うか、要するに素晴らしいギター曲、と言う以外の何ものでもない。
このごろ、ジプシー曲のような割に力強いギターを聴く事が多かったからか、このバーデン・パウエルの優しさがいい。
オーソドックスな名曲が新鮮に聴ける。そんな逆説的な名盤です。
ヴィニシウス 愛とボサノヴァの日々 [DVD]
ヴィニシウス、本当にすばらしいです。
大詩人でありながら、大衆音楽の作詞も数多く手懸け、そのすべてがすばらしい。外交官としても有能だったらしいです。
文学的には伝統を尊敬しながら大衆の心情に合う詩を作ったらしい。音楽的には年下のアーティストらと組み、白人音楽と黒人音楽を融合させ、洗練され斬新なリズムのボサ・ノーヴァやアフロ・サンバを作った。
偉大な人物にもかかわらず、気取ったところが少しもない。気さくな人物です。
映画では彼が愛と友情に生きた様が紹介されています。大酒飲みで女好きのヴィニシウスですが、人生は一回きり、地位や財産よりも「愛」に生きるべきと自覚していたんでしょうね。人生の意味を表面でなく、魂の深い部分から追求した人ということがよくわかります。
僕もヴィニシウスのように生きたい。
孤独
あえてリズム感ではなくリズム観といいたいこの素晴しい感性は、この地域の人々に染み着いたものとしか言えないと思います。ポップスやロックを聴き慣れた耳にも自然に溶け込む本物の実力。友人に薦められて聴いてみました。そして驚いた!なんという音楽の力なんだろうか。彼の音楽も、元々西洋と地の音との合体で生まれた音楽だから多少頭でつくったとこはある。しかし頭でコントロールしきれない部分が、音符や理屈を超えていく瞬間に感動しっぱなしです。彼が何のために音楽をやっていたかの証がここに残っています。
5人の名手をマネるだけ! さらりと弾けるボサノヴァ・ギター
ボサノヴァギターを弾きたくて、国内外合わせて何冊もその関係の本を買い漁ってきましたが。
この本は題名からすると「なんちゃってボサノヴァ風」のタイプかと思わされますが、とんでもない。
コードワークやリズム、ちょっと理論的なことなどを分かりやすい言葉で説明されています。
さまざまなスタイルの説明、パーカッションの作り方まで、読み物としても充実しております。
なんと言っても、著者・長谷川氏のブラジル音楽への愛が溢れております。
練習曲は伴奏時のコードワークを主体としており、付属CDではヴォーカルメロディをフルートが担当しております。
フルートとギターの組み合わせは定番ですし、私は好きなスタイルです。
練習曲のコードを弾いているだけでも気持ち良いですし、その奥深さに引き込まれます。
バーデン・パウエルの2曲はソロ・スタイルです。
ソロ・スタイル中心の本でしたら、佐藤正美さんの「ボサノヴァギターのしらべ」がありますね。
この内容で「.....マネるだけ」「さらりと弾ける.....」なんてタイトル、ひどすぎませんかね。
出版元のヤマハの方、もう少し頑張ってタイトルを考えましょうよ。
この手の本は気がつくと廃盤になります。
私は買い逃さなくて良かったです。
そして、長谷川久氏にはソロ・スタイルの本をぜひとも出していただきたい!