性犯罪被害にあうということ (朝日文庫)
著者が性犯罪事件の被害者となり、事件の経緯、事件前後の心身の変化、周囲の人々との関わりや気づきなどについてとてもわかりやすい文章でつづったものです。本書を発表することによって、彼女は同情の類を求めていないので、それを求めて発表したと考えるのは、あまりに浅はかでありましょう。
自分のことを最もよくわかってもらいたいと思っている人間、最も近い人間である家族にわかってもらえないという経験をした人はいるのではないでしょうか。それは性犯罪に限らず、社会的に理解の行きわたっていない病気を抱えている人や事件に巻き込まれた人の中にいるのではないでしょうか。近しいからこそ、事実を直視することができず、どうしても既存の枠組み・思考に当てはめて物事を見てしまい、当事者が伝えようとすることを汲み取ってはくれない。ひどい時には「お前は甘えている」とか「まだ引きずっているのか」とか「怠けている」と言われます。
それゆえ、「伝えても意味はないだろう」と考えてしまうのも無理はなく、著者もそういう経験をした時期がありました。それでもなお伝えようとするには、何か別の力が必要であり、伝わらなかったということを受容する勇気が必要なのでしょう。家族だからこそ自分のことをよく理解してくれるわけではなく、むしろ同じ経験をした人がよく理解してくれたり、そういう経験はないけれど気づける人の方が理解を示せるのではないでしょうか。
著者はいくつか示唆に富む助言をしています。事件が起こった時に必要なのは、被害者も周りの人たちも、まず事実を受け止めることです。そして、本書の場合、被害者の心身は事件前後で変わってしまったこと、事件がなければ負う必要のなかったものを背負ってしまったこと、時間が経過しても解決(解決とは何を意味するのか)にいたれるわけではないことを理解することが大切です。何よりも著者が求めたのは理解であり、分析や価値判断ではありませんでした。
理解、この単純なプロセスは、しかし維持することはまことに困難です。どうしても人は易きに流れ、自分の理解できる枠組みに物事を閉じ込め、相手の言わんとするところを汲み取る努力を断ってしまいがちです。しかし、おそらくそこにしか前進する道は見いだせないのではないでしょうか。
更に、忘れてはならないのは性犯罪被害に遭うのは女性だけではありません。男性も遭遇するし、時に小さな男の子も遭遇します。おそらく男性の場合は、女性以上の、あるいは女性とは別の困難に苦しむことでしょう。まだ性犯罪被害者が不当に苦しむ必要はないという社会は整っていません。常に思い込みと偏見と神話があります。
また、著者は自分と向き合うために、カウンセラーのところに通った経験も書いています。一人のカウンセラーを抜かして、他には良い人に巡り合えなかったのは、何らかの事柄でカウンセラーを探したことのある人は実感としてよく理解できるでしょう。
繰り返しますが、同情を求めて本書は書かれたのではありません。「かわいそう」と思われたくて書いたのではありません。本書全体のプロセスを辿りつつ、自分の感情や気持ちを伝え、理解してもらうこと、その困難さと大切さに気づき、他者を理解することに心開き続けることを銘記することが求められているのではないでしょうか。
性犯罪被害にあうということ
私は5才の時に性犯罪被害にあいました。
40才現在の私はアルコール依存症患者で、重いPMSを抱えています。
完全断酒して5年目ですが、現在もPMSによる鬱状態の時は2〜3ヵ月に一度は「死にたい」と思い、実行する事もあります。
私がアルコール依存になったのは性犯罪体験のせいだけではありませんが、大きな要因ではあります。
母親は5才の私に「忘れなさい」「誰にも言わないで」と、小林さんの御母様と全く同じことを言い、ずっと男性不信が強く「これは5才の時のトラウマではないか」と大人になってから相談しても同じ言葉を繰り返すだけですね。
小林さんの意思の強さと「もの言わぬ」被害者女性への素晴らしい貢献に敬意を表します。
レビューにはなっていませんが、最後に一言。
「(被害者の)あなたは全く悪くありません。悪いのは犯罪者で、理解の無い周りの人達は無知か体裁屋。 どうか生き抜いて、自分の人生を自分に取り戻してください。」
魔法先生ネギま! 麻帆良学園中等部2-A 「3月:文化部4人組」
「魔法先生ネギま!?!声のクラスメイトシリーズ」も、とうとうラストの12弾となってしまいましたね~
少年マガジンにて大好評連載中の「魔法先生ネギま!?!」、最近では、ネギ先生のクラスの生徒さんたちの中でも、ほとんど登場のシーンがなかったザジや相坂さよにスポットライトをあてて紹介していましたが、この12弾では、そのうちの一人であるZazie Rainydayも登場しています。
今までがんばってCDを集めてきた方々も、ようやくゴールを迎えるのです。そう!、応募券を全て貼り、生徒証明書をゲットするのです!!私もどれだけ待ち望んだことか・・・
では、このレビューを読んでくださった皆さん、CDを必ずゲットしましょう(もちろん初回版狙いで)!!
性犯罪被害とたたかうということ
前著と続けて読みました。
自らの体験が中心となっていた前著もそうですが、さらに、被害者の一助になるのではないか?という印象を受けました。
誰にも言えない、言ったとしても救いがない、という場合に、
他の人の声を知ることは、少しでも「一人ではない」と思えて救いになるものではないかと…。
また、精神的に疲れていて文章を理解するのが辛い時でも、字は少し大きめで行間も広く、読みやすいです。
内容は
・裁判員制度による 被害内容やプライバシ漏洩への恐怖、裁判の様子
・著者の所に届いた3000通のメールによる”被害の現実”データ
・他の被害者の声
・マスコミとのかかわり
・加害者への考え
などが描かれています。
マスコミ関係者Iさんの「信じることは間違いなのでしょうか」という言葉が印象的です。
性犯罪による心のダメージについて”裏切られたこと”と何度か書かれています。
性暴力(性犯罪)とは、「自分には関係ない」「身の回りで起こる筈がない」「治安の悪い地域の」話ではなく、
誰もが持っている「心身」を、突然または繰り返し、めちゃくちゃに踏み荒らされる行為なのだろうと思います。
男女に関わらず、相手に暴力的なまでの性を押し付けるのは、
「それによって相手がどうなってしまうか」という想像力が無いのかもしれません。
性暴力の実際がもっと知られ、被害者への偏見が無くなってほしいと願います。色んな人に読んでほしい本です。
前著で家族や恋人とのやりとりが描かれていましたが、この本では
お互いの気持ちの行き違いに気づいたり、人の優しさに触れる描写が多く
こんな言い方をするのはおかしいですが、何だか、人間として自分もほっとした部分がありました。
116人のレイプ体験 (DATAHOUSE BOOK)
色々なパターン(失礼)体験談が 掲載されている。本当か?と思うような話もあり脚色しているのかも。表現がポルノ小説のようで被害女性が気の毒。 女性が読めば 犯罪防止に役立つかもしれない。被害女性の心情は、書かれているけど男性達が それを分かれば 本書の価値も上がるでしょう。