世界の中の世界(初回限定)
2007年、Raul Midonの2ndアルバムです。
1st「State of Mind」(2005)と比べると、確実に成長しているのが分かる作品です。
まず、楽器の面で、従来からのアコースティック・ギターに、
エレクトリック・ギター、ストリングス、ハモンド、ラテンの民俗楽器(Quena, Charango)etcが、楽曲によって加わります。
楽曲面でも、1stを思わせるような(1)、まったりアーバンソウルな(2)、アカペラ調の(4)、
トロピカルな雰囲気で中間部が「コンドルが飛んでいく」のような(7)、のどかなスペイン語ナンバー(9) etcと、多彩になっています。
前作にあった、優しい雰囲気、ポジティブでピースフルな雰囲気がベースになりますが、
一部の楽曲では、「憂い」を感じさせるものが入っています。
ラストの"Peace on Earth"は、「憂い & 祈り」といった印象です。
初めて聴いたときは、素直に、Raulの成長を喜んで聴いていました。
ただ、聴く回数が増えるにつれて。。。色々やってるけど、アルバムとしての印象が薄くなっていきました。
1stが、リスナーに印象を残す「夜のニュース」なら、
この2ndは、情報満載「朝のニュース」という感じがします。(違い、分かりますよね?)
1曲1曲が素晴らしい分、ちょっとモッタイナイな〜って感じるので、「☆-1」させていただきました。
なんとなく、アルバムというよりも、「曲集」というイメージです。
まあ、今となっては、これらの楽曲は、Liveのセットリストの中のいい1曲なんだろう、と思います。
「Raul Midonファン」「1stを聴いて気に入った人」に、オススメです。
「Raul Midon初心者」は、まず、1st「State of Mind」を聴いてみては?
(参考)
日本盤は、ボーナストラック「Money Buys Happiness」収録。
State of Mind
昨年、Louie Vega(Masters At Work)のElements of Lifeにも前面フィーチャーされています。これがきっかけでメジャーレーベルからのデビューとなったのでは?ちなみに、昨年、Louie Vegaと一緒にBlue Noteで日本ツアーもしています。
ステイト・オブ・マインド(期間限定)
こりゃすごい!!久々のソウルの星。タイプは違うけどダニー・ハサウェイのライブ盤と同じような感動が・・・(本人も尊敬しているようで、8曲目「Sittin' in the middle」の歌詞に出てくる)。震えが来ます。星5つじゃ足りないくらいです。
ジェフ・ベックが心酔したというギターテクも、「誰か脇で吹いてるでしょっ!?」ていうくらいのマウス・トランペット(?)もすごいけど、何よりこの人にはソウルがある。音楽界に久しく失われていた真の意味でのソウルがこの人にはあります。音楽性の幅広さも素晴らしい。また、今の時代にこれほどポジティブな姿勢を保っているって言うのも特筆ものです。
今後がものすごく楽しみだし、同時代にこういう人がいるんだという喜びを久々に味わいました。その意味でこの値段は破格でしょ。買うしかないです。