Random Walk Down Wall Street: The Time-Tested Strategy for Successful Investing
この本を初めて知ったのはもう20年以上前のことだろうか。それもそのはずで、第1版が出版されたのが1973年だと言う。
改めて目にしたのは去年のことだった。初めはおもしろかったら良いな、くらいの気持ちでは日本語で読んでいたのだが、余りにも鋭い内容に圧倒されて、それなら英語で挑戦してみよう、と途中で原書に変更した、と言うのが真実である。
John Bogle、Charles Ellis、そしてこのBurton Malkiel、と言ったらアメリカだけでなく、世界に冠たるインデクス・ファンドの創始者たち、と言うことになるだろう。今やキャピタル、フィデリティ、と並ぶ投資信託の大手となったVanguardだが、1976年にこの会社が始めた‘S&P500のインデクス・ファンド’は「インデクスと同じ成績を狙うなんてプロフェッショナルの仕事じゃない」とフィデリティから揶揄されたらしい。しかし現在ではこの‘S&P500のインデクス・ファンド’は全体で11兆円を超える世界最大の投資信託の一つとなった。
この本を読むまではテクニカル・アナリストを軽蔑していたのだが、ファンダメンタル・アナリストも大したことがないのだな、と言う事を認識させられた。そう、記憶に新しいハイテク・バブルの時にはファンダメンタル・アナリストが跳梁跋扈したのだった。そして彼らがサルと余り変わらない能力の持ち主だ、と言う事が最後に証明されたのだった。新聞やTVに出ているエコノミストやアナリストの予想がどのくらい当てにならないか、改めて列挙するまでもないだろう。そのうえ、どの株が上がるか的中させてみろ、と言われたら殆どの連中が逃げ出すことになるのではないか。
この本は言うまでもなく、金融業界で働く人間にとっても、またこれから投資を始めよう、と言う人にとっても有益な本だろう。アメリカ合衆国、と言う唯一のスーパーパワーが自分たちの失敗を中国や中東の資金を調達しないと穴埋めできなくなっている、と言う現実に直面すると、アメリカやヨーロッパ、日本等の先進国の株式しか組み入れていない投資信託よりも、新興国をも含めた世界中の株式をトラックする安価なインデクス・ファンドが誕生しないかな、と期待しているのは私だけだろうか……。
ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理
投資のスタイル、考え方にはさまざまなものがある。
畢竟、投資について書かれた本は、
その本の著者が取るスタイルや考え方がなぜベストなのかを説明する本となる。
そして「ベストである」と主張するためには、他が「なぜダメなのか」を論ぜねばならない。
この本の主張は「インデックスファンドへの投資がベスト」であるという部分が骨子である。
この本が他の本と異なり、また評価できるところは、
なぜ他の投資方法がインデックスファンドへの投資に比べて劣っているのかを
ちゃんと論じているところである。そしてデータを示しているところである。
このような論述構成の基本をちゃんと踏んでいるところを評価したい。
だからといって「インデックスファンドへの投資がベスト」と読者が考えるかどうかは別であるが。
この本では、
・チャート
・ファンダメンタルズ
・金融工学
・行動経済学
等の投資手法について分析を行っている。その上で、「インデックスファンドへの投資がベスト」
と主張している。
他の投資指南書の類は自説をごり押しするだけで、他説の検討が皆無もしくは十分でない。
またデータについても、上手くいっている場合の例示やチャンピオンデータだけを提示し、
都合の悪いデータを出さない。
この本ではちゃんと主張するに足るだけのデータを出している。
繰り返すが、「インデックスファンドへの投資がベスト」
という考え方を受け入れるかどうかは別。
しかし、投資を勉強する上で他の説なり主張を検討する際の試金石になる書であると思う。
Ost: Wall Street
The album features nine DAVID BYRNE tracks, including several songs from his 2008 collaboaration with Brian Eno, 'Everything That Happens Will Happen Today'. Released on Byrne's own Todo Mundo label.
デビッドバーンの新曲がきけるなんて!
すっかり分かりやすくなった音楽に さみしさと うれしさを感じる。
まあ、監督ともども現役で頑張ってるのが素晴らしいね。