Air Conditioning
70年発表の1st。カーヴド・エアはソーニャ・クリスティーナ(vo)、ダリル・ウェイ(vln)、フランシス・モンクマン(k,G)、フロリアン・ピルキント(Dr)、ロブ・マーティン(b)の5人によって結成されたグループであり、その後もメンバー・チェンジを繰り返しながら活動していくが、グループ解散後も様々なグループやソロで活躍していく猛者が多数揃っていた。
ソーニャの美しいというよりは力強いヴォーカルとウェイのヴァイオリンがこのグループの肝であり、この作品ではまだ荒削りではあるもののその点は十分に楽しめる。また矛盾するものの、この作品では以降に見られるようなメンバーの出番の極分化は見られず、各メンバーの見せ場が用意されているところもポイントだと思う。比較的地味なドラマーの出番やベーシストの手による単独曲もあり、バラエティにも富んでいる。全体的にはサイケデリックとブログレを行き来するかのような作品だと思う。
楽曲としてはとにかく1.が素晴しい。ブルース・ロック調の曲が突然ぶった切られてヴァイオリンが出て来るところが鳥肌もの。単に美しいのでは無く狂気じみた開放感のようなものすら感じさせる。2.はウェイのエレクトリック・ヴァイオリンによるバッキングが素晴しい曲。5.は彼らの代表曲の一つでライヴのハイライトだった。緊張感をと美しさを伴ったウェイのヴァイオリンが素晴しいが、時代を反映したかのようなノイズ・サウンドは若干聞き手を選ぶか?(私は大好き) 8.は前記のベーシストのロブの曲。ピアノをバックにウェイのヴァイオリンがソロをとるシンプルな曲だが、混然としたこの作品の中の清涼剤のような役割になっており、シンプルな故の美しさを持ったはかない佳曲である。
Air Cut (Dig)
イギリスのプログレバンド、カーヴド・エアの4th。1973作
いったんバンドを離れたダリル・ウェイに代わり、若き日のエディ・ジョブソンが参加。
そのことからも現在ではエディファンからの人気が高い作品であり、
バンドのディスコグラフィー中でも異色のアルバムといえるだろう。
サウンドは初期の頃に比べるとずいぶんすっきりと整理されてきていて
軽やかで優雅な演奏に乗るソーニャー・クリスティーナの歌声が美しい。
エディの艶やかなピアノはやはり素晴らしく、またヴァイオリンの方もダリルに負けじと
テクニカルに弾きまくっていて、このアルバムをクラシカルに彩っている。
前作「ファンタスマゴリア」とともにバンドの代表作と呼ぶにふさわしい出来だ。
Lost Broadcasts [DVD] [Import]
従ってレビューもDVDとして書かせて頂きます。
演奏メンバーはセカンドアルバムのメンバーです。従ってBassはイアン エア(Ian Eyre)でダンアームストロングのクリスタルボディのBassを使っています。
収録曲は以下の6曲です。
1.Vivaldi
2.It Happen Today
3.Proposition
4.Back Street Luv
5.Back Street Luv
6.Piece of Mind
で1〜3と4〜6は収録時期が違い、そもそも4〜6はDrumsがフローリアン ピルキントン-ミクサとは違う人物が映っています(体調不調時バリー デ スーザが代役で演奏したという話があるのでスーザかもしれません)。
3.はモンクマンのシンセサイザーソロが入ったり、途中にソーニャのヴォーカルが入ったり若干展開が異なっています。
6.はダリルのヴァイオリンソロが聴けない他はオリジナルのイメージに近い演奏で、これも好印象です。
その反面、4.5.共にモンクマンのギターソロが入ったところでフェードアウトしてしまう(4.の方は中断してしまったような印象でした)し、1.のサイケデリックな背景(1stアルバムのデザインを加工したものでした)もうるさいのですが、Curved Airのライヴ映像をとらえたものは少ない(他にオランダからベルギーのTVに出演した時のファンタスマゴリアのメンバーでのライヴ映像Masters From the Vaults [DVD] [Import]もあります)ので、私はこの評価にさせて頂きますし当時の映像に興味のある方にお薦めです。
尚DVDは1枚だけです。
追記 5,6は青い背景で演奏していますが、これは背景を合成するための元映像で、これの背景を合成したものが実際の放送で使用されたものと思えます。2012年4月9日