FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン (朝日新書)
昨年、『原子炉時限爆弾』を半信半疑で読みました。大震災直後の大津波の映像と福島原発の映像が脳裏に焼き付いて離れません。現在もまるで映画のような現実が突きつけられています。本書は『原子炉時限爆弾』で予告されていた内容の検証になっています。福島原発事故が「津波に暴かれた人災」であることや、原発の構造からくる事故の必然性を、因果関係を明確にしながら平易に解いています。ネットで飛び交っていた憶測のいくつかも正しかったことが分かりました。
浜岡原発の停止が決定しましたが、崩壊熱は1年にわたり放出されます。その間に直下型地震が浜岡を襲うかも知れません。さらに何も無ければ原発周辺の護岸工事を終えた時点で再稼働するものと思います。広瀬氏の検証と警鐘を忘れないことが大切だと思います。メルトダウンを東電が認めたことは、広瀬氏の予見が正しかった証です。想定外を許さない安全性の確立が困難ならば、思い切った廃止の決定をして、今後のエネルギー政策の舵を原発以外に切るべきだと感じました。
追記
IAEAの査察団が来日し、5月25日より本格的な調査に入りました。査察団は「原発推進国」の代表も含んでいます。報告書ではどのような「アリバイ」を書きあげるのか興味津津です。また、政府の諮問機関として調査委員会が設置されましたが、言い訳の上塗りになることは明らかです。国民と事故に真摯に向き合うリーダーを渇望します。
活断層 (岩波新書 新赤版 (423))
プレート境界地震しか経験したことのない自分にとって、活断層地震の余りにもすさまじいエネルギーと被害は想像もつかない。この本は日本全国の活断層について、とてもわかりやすく書かれている。図やグラフも豊富。
内容は
第1章 活断層が動いた-兵庫県南部地震
第2章 活断層を探す
第3章 どんな動きをするか
第4章 大地震を予測する
第5章 地域を診断する
第6章 防災のために
第2章の丹那トンネルの話。1930年に丹那トンネルを建設している最中、北伊豆地震(丹那断層が動いた)が起こり、坑道が2メートルもずれたと言う。1000年に一度の割合で動く断層らしい。濃尾地震の根尾谷断層の話。80キロも断層が地表に表れ、8メートル左にずれたという。大変な地震だったようだ。他にもいろいろな断層の話が詳しく説明されている。
第5章では日本各地を地域ごとに診断し、それぞれの地域の活断層について説明されていて大変参考になる。
被災病院における発災直後の看護活動 [DVD]
毎年、同じ災害訓練を行っているだけで、
スタッフのモチベーションが上がらず困っていましたが、
このDVDを活用することで視覚的な訓練を行うことができと思うし
より実践的な勉強になる内容でこれからスタッフへの災害意識を高めることを
できると思います。
次の超巨大地震はどこか? 過去に起こった巨大地震の記録から可能性の高い地域を推測する!! (サイエンス・アイ新書)
タイトルだけだと地震予知の本かと思いますが
中身を読んでみると予知についてはほとんど記述が無く
過去の地震の規模や被害についての記述が多い。
地震被害について知りたい人には良い本だと思います。
地震雲とか大気濃度とか地震予知について知りたい人は
別の本を選ぶことを勧めます。