Across 110th Street
このサントラがリリースされた1972年といえば、“ブラックスプロイテーション”という言葉で表現される映画の全盛期のときでした。黒人の視点から描かれた映画で、犯罪やハーレムなどと関連した内容が定番でした。映画の内容もさることながら、ブラックエクスプロイテーションは数々の名サントラを生んだということでも重要です。今回紹介させていただく『Across 110th Street』、カーティス・メイフィールドによる『スーパーフライ』、ロイ・エアーズによる『Coffy』、ウィリー・ハッチの『Foxy Brown』などなど有名アーティストがこぞってサントラを提供し、またそれらが素晴らしい内容でした。
『Across 110th Street』のオープニング・ナンバーのアルバム同名曲を聴いていただくとブラック・エクスプロージョンのイメージが掴んでいただけると思います。スリリングでファンキーな黒いグルーヴを持ったソウル・ナンバーで、この曲もそうですがギターのカッティングを効果的に使ったものが多いです。この曲はクェンティン・タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』にも使用され話題になりましたね。
また『Harlem Clavinette』、『Hang On In There』のようなファンキー・インストも多いですね。『Hang On In There』ではかなり長いギター・ソロが登場するのですが、どう聴いても黒人がプレイしていると感じてしまう雰囲気です。そしてどちらの曲にも共通しますが様々な楽器が前に出てくるのもいいですね。
ハイハットによる細かいリズムの上をエレビが疾走していく『Quicksand』は、その勢いがたまらなく魅力的で、いつも気付いたら終わっているという感じです。
さらに『Do It Right』はエンジン全開のジェームス・ブラウン!?と思わず言ってしまいそうなヴォーカルのぶっ飛び具合がたまりません。ギターもガンガンに弾きまくっていてこれは鬼ファンキー!
この時代のブラック・エクスプロイテーションの充実振りを良く伝えてくれる名盤だと思います。ファンキーでエキサイティングでソウルフル、万人にお薦めできます。
Reviewed by ちょっと寄り道 [音楽の旅] [...]
ザ・ブレイベスト・マン・イン・ザ・ユニバース
ブラックミュージックを敬愛してやまないブリティッシュロッカープロデュースの系譜・・・と聞いて
ものすごい期待していたので・・・そういう意味でいうとちょっと期待外れだったかも。。。。。
全編 Rae & Christian の Get A Life feat Bobby Womack のような感じかな〜と思っていたのだが・・・
あんなに黒々ではない。
考えてみたら、ボビー・ウーマックはライト・ファンクなアルバムなんかも出していたのだし、
彼を2012年版として表現するとしたら、このくらいで良いのかもしれない。。。。
近頃流行のビンテージ・ソウルとも違った伝統的なソウルアルバムって感じはするけれど、
個人的には、リー・フィールズ&ジ・エクスプレッションズの「マイ・ワールド」みたいなものが聴きたかった。
Bobby Womack IN CONCERT [DVD]
2000年収録のコンサートの模様らしいが、他のかたのレビューにある通り、声量が随分落ちているし、見た目もキュートで可愛らしい感じはなくなったけど、いろんなスターやトップミュージシャンと仕事をしてきた成果は充分伝わって来ます。
もう説明の必要もない「Piano in The Dark」や、参加したミュージシャンが全員楽しげに演奏する「So Good so Right」はデビューアルバムからの1曲。ブレンダはお皿を洗いながら書いたのよ!とおちゃめな一面も。
バックに控えるミュージシャンは失礼ながら知らない人ばかりだが、バンドとしての纏まりが良く心地よい。
ブラジルのイヴァン リンスとの共作の「Please Felipe」は、サンバのリズムに、ノリノリなブレンダの表情がとても良かった。コンサートの臨場感を十二分に得られるとてもよいDVDです。
時折映る客席のメガネの白いドレスの素敵な女性に心をドキドキさせながら、最後は、個人的に大好きな、当時ジョー サンプルが素晴らしいイントロ及び、演奏をしていた「Get Here」のアンコールで終演です。
天性の感覚を持つブレンダの進化を観る事が出来る大変オススメの1枚です。
ジャッキー・ブラウン
マニアックな選曲が最高。個人的にはグラスルーツや、ランディークフォードがとても気に入ってます。タラ作品でおなじみの曲間の喋りがちょっと邪魔な人もいるかと思いますが、映画の場面を思い出せ、まあいいかなと思います。
Fly Me to the Moon / My Prescription
サム・クックが大好きで、アトランティックの一連のソウル(特にウイルソン・ピケットの"I'm in love"が大好き)な私としては、これは素晴らしい発見でした。魅力的な音楽のひとつの頂点。リズムセクションも素晴らしいし、ギターのリフが泣けます。でも最大の魅力はやはりヴォーカルです。激しいシャウトなのに、なぜこんなに涙腺を刺激されるのでしょうか。Womackのほかのアルバムも試してみようかな。