鬼神伝 [DVD]
文化庁メディアコンクールで何かの賞を授与されていたので観賞してみました。
権威主義もろ出しの動機です。
人物造型はデフォルメ極まりない巨眼人間でもなければ、写実的な等身大造型でもない。
その狭間に位置する蝙蝠造型とでも比喩すべき人物像。
それ故なのか、欠片ほどだが人三化七を感じた。
ドアップ静止画だったら
3分保たないとおもわれる。
だが、貴族側に刃向かう『鬼』達のデザインは雰囲気出てました。
本体を纏うように蜃気楼の如き障気がゆらゆらとふれている。
その障気を被る鬼本体のデザインも古典的な妖怪、物の怪、鬼をよく模せていたと思う。
作画も土崩瓦解することなく、黄白の掛かった劇場アニメに相応しい動きをみせていた。
しかし、劇場アニメの持病とも云うべき『残念な配役』が本作品でも発病。
主人公は
「頼りなさがデフォルトなんで…」と堅白同異の弁をかませなくもないが聞き入る事は出来なかった。
天の邪鬼の声も。
全体的に不一致を覚える演技だった。
それから主人公よ。
胸部に見事な痣があったら、どんなに愚鈍な愚物でも「あ俺、何かに選ばれてるな」と気付くでしょう、普通。
初回の戦闘でトランペット等の西洋楽器が流れだした時は、たまげると同時に吹き出してしまった。
舞台設定は平安のはずではなかったか。
本作品を視て
「モモへの手紙を視に行かなかったのは、好判断だったかも」
という自信が芽生えた。
そんな作品です。
カンナ 奥州の覇者 (講談社文庫)
ラストのエピローグ部分にQEDシリーズのあの二人が出てきますw
チラッとだけなので、ストーリーが重なることはないと思いますが、少し驚きました。
内容はいつもの通り。ただ主人公甲斐にとっては転機となる事件が起きたので、それをこれからどう消化していくのかな、と期待しています。
まあ高田先生の小説の真価はは中身、ストーリー云々よりもいかに妖しげな知識を常識として語るのか、ですのでこれでいいのですw
鬼神伝 [Blu-ray]
原作は知らなかったですが、とても面白かったです。
批判ではありませんが、ひねくれた見方をすると、劇場版NA○UTOからキャラクターをオリジナルに置き換えただけだと思います。
ただ、作画、内容は良かったと感じました。
せっかく作画、内容は良かったのに、ブランド名がなければ見向きもしない、酷評しか出来ない人が、残念ですがでるかもしれませんね。
オリジナルアニメの難しいところだと思いました。
カンナ 京都の霊前 (講談社ノベルス)
シリーズ9作目にして、完結巻。
無事完結といえば完結だが、イマイチ消化不良な感がある。結局のところ、このシリーズは重大な歴史の真実が書かれた社伝がキーになるわけだが、その扱いに付いてもどうも釈然としない。また、ストーリーそのもの、登場人物たちについても、もっと違った処理の仕方があるという風に感じてしまう。
このシリーズで扱われている歴史は(当然それが真実であるかどうかは別にして)、非常に重要なものだと思う。そして、それらのための物語を作ったのだろうと思うが、そちらの、手段としての物語がどうにも微妙になっているため、主役よりも脇役の方に目が行きがちなところが勿体ないと思う。