深呼吸の必要 (初回限定版) [DVD]
若い男女の沖縄での35日間のバイト生活だが、その中で
恋愛もなければ、特別大きなイベントもない。メンバーの細かい
エピソードもあまり語られない。大自然の中で、ただひたすら
身体を動かして、キビ刈りをしていくだけである。
でも、キビ刈りを最後まで行うことで、がむしゃらであっても
目的に向かって実際に身体を動かしていくことの清清しさ、
最後までやりきったときの達成感、そして、同じ目的を
共有する仲間同士の連帯感を、キビ刈り隊のメンバーは
感じたのだと思う。
これらをよりダイレクトに伝えるために、最初に書いたような要素は
一切削られているようにも思える。沖縄の風景や、劇中の(小林武史の)
音楽との相乗効果もあり、観ている僕もとっても気持ちがよかった。
深呼吸の必要 [DVD]
映画公開は2004年の5月。
ちょうど『世界の中心で、愛をさけぶ』が話題となっていたころである。
長澤まさみのもう一つの作品。
どこか心に傷を持つ、ワケありの若者7人が、日給5000円のサトウキビ刈りを通じて、「何か」を発見する。期間は35日。場所は沖縄の離島。
7人が集ったのは、偶然。
7人に共通しているのは、
深呼吸の必要。
喧騒な現代において深呼吸が必要なのは、果たしてこの7人だけだろうか。
まもなく社会に出る人は、その前に、
仕事でお疲れの方は、ほんの合間に、
自殺を考えている方は、実行に移す前に、
ぜひ、深呼吸を。
秀逸な一作。