幸福な食卓 プレミアム・エディション [DVD]
原作小説を読み、映画化していると知り視聴。
キャスト、雰囲気は抜群に良かった。
主演の北乃きいは、文句なしに可愛い。哀愁を帯びたような透明感のある笑顔を見てるだけで満点を挙げたくなるぐらい。
しかし、家族がそろう『食卓』をタイトルに冠していながらも映画という時間制限のため主人公以外にスポットがきちんと当てられずに、主人公以外が抱えた問題は不明瞭なまま。
これが非常にもったいなかった。原作の事を言うのは野暮かもしれないが、原作の良い所を殺してしまっている。
それでも、ゆったりと流れる空気と初恋を思い出させるムズムズする思い、優しい音楽などが暖かい雰囲気を作り上げてくれる。
雰囲気やキャストが良いために、脚本があともう少しなのが残念だった。
北乃きいは可愛いし、彼女が可愛いなと思ったら見て損はしない。
幸福な食卓 (講談社文庫)
久しぶりにいい本に巡り会えました。
ここの評価をみるとイマイチなのかな?って思ってたんですが、いざ読みだすと止まらなくなりました。
読み終わると、なにか伝ってくるものがあります。
是非、読んでみて下さい。
図書館の神様 (ちくま文庫)
余分なものがなく、今まで出会ったことがないような、とにかく爽やかな小説です。
主人公は、高校時代に打ち込んでいたバレー・ボールで、自分の一言から自殺者を出し、そこから離れる道を選んだが、何がしたいか解らないまま高校の講師になった清が主人公です。
そんな清が高校で出会ったのは、いやいや顧問をやるはめになった文芸部の垣内君です。
この二人のつかず離れずの絶妙の関係が素晴らしく、読んでいる者の心まで清々しい気持ちにしてくれます。
当然、傷ついていた清の心も洗われてゆき、やがて本格的に先生への道に進むことになります。
実はこの垣内君も中学の時のサッカー部の時代に、同様の傷を負って文芸部に来たのですが、二人の会話はそうした具体的な互いの「傷」の話にはゆきません。
それでも、川端康成や山本周五郎などの文学を読んだり、詩を作ったり、走ったり、サイダーを飲んだりといった、とりとめのない行為のなかから、二人のいいなあと思える関係は生まれてきます。
この二人の感情に流されず互いに思いやるそっけない言葉。
これが実に素晴らしい。
この感覚が、この本の読後感を素晴らしいものにしているのでしょう。
同時に収録されている「雲行き」も、なかなか楽しい短編です。
Re-born はじまりの一歩 (実業之日本社文庫)
7人の作家さんによる短編集です。
私が良かったなと感じたのは、
福田栄一「あの日の二十メートル」
豊島ミホ「瞬間、金色」
伊坂幸太郎「残り全部バケーション」
の3作品です。
特に「あの日の二十メートル」は良かったです。
私自身プールで良く泳ぐのでなんとなく近いものを感じてしまいました。
真昼なのに昏い部屋
ジョーンズさんは、美弥子さんが持つ誰かの保護下にいる人間にしかないものに惹かれたのだと思います。 彼女がそれを無くしてしまったとして、はたして彼はこれから先も彼女を愛し続けることが出来るのだろうか。 そう考えさせられる終わり方でした。 男と女の間にある(恋愛に対する)価値観の違いを生々しく描いた作品だと思います。他の方のレビューの中に残酷な童話のようなお話だとあるように、第三者の視点で淡々と綴られる物語は本当に童話のようです。 好き嫌いが出る作品なのかもしれませんが、それを考慮しても星五つです。