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狂気について―渡辺一夫評論選 (岩波文庫)
フランス・ルネサンス研究やラブレーの翻訳で知られる仏文学者 渡辺一夫の随筆集。暴力・狂気(非理性)・不寛容を静かに峻拒し続けたユマニスト(人文主義者、ヒューマニスト)。僕だったら理性や合理主義に或る種の抑圧や頽落を見出して己の疎外の源泉としてしまうところであるが、渡辺は理性的であることの良質な部分を決して手放そうとはしなかった。彼は、宗教戦争が酸鼻を極めた16世紀フランスに於いて穏当な理性と健全な懐疑主義と寛容とを保持したラブレー、エラスムス、モンテーニュを評価する。
モンテーニュ『エセー』からの次のような引用は、現代日本に於ける排他的愛国心の跳梁を思うにつけ、実に印象的である。"私は一切の人間を同胞と考え、・・・民族的な関係をば、全世界的な一般的な関係の後に置く。・・・我々の獲得したこの純粋な友情は、共通な風土や血液によって結合された友愛に普通立ち勝っている。自然は、我々を自由に、また束縛せずに、この世に置いてくれた。しかるに我々はペルシヤの王たちのように、我々自身をある狭い地域に跼蹐せしめているのだ。このペルシヤ王たちはコアスペス河の水より他に水を飲まないという誓いを立てて、愚かにも他の一切の水を用いる権利を自ら抛棄し、従って彼らから見れば、他の世界はすべて涸渇しているわけであった。"
「文法学者も戦争を呪詛し得ることについて」
平和時の人間に物質主義的堕落を見て戦争を精神主義的に賛美しようとする議論に対して、モーパッサンを引きながら、戦争を起こして利益を得ようとすることこそが物質主義であるとする箇所は、極めて痛快であり、昨今の幼稚な反平和的言辞に対する鋭い批判である。物質主義が戦争を求め、不寛容が戦争を支持する。
「人間が機械になることは避けられないものであろうか?」
政治・経済・法律・社会・宗教・学問 etc. の諸制度が物象化して官僚制に堕するとき、人間は制度の手段として巨大機構の歯車と化してしまう。諸制度を常にヒューマナイズし続けることが必要だ。つまり、人間性の観点から批判し続けること。
「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」
異物排除の欲望に覆われた社会は、次の文章を読んで寛容について再考すべきではないか。"秩序は守られねばならず、秩序を紊す人々に対しては、社会的な制裁を当然加えてしかるべきであろう。しかし、その制裁は、あくまでも人間的でなければならぬし、秩序の必要を納得させるような結果を持つ制裁でなければならない。更にまた、これは忘れられ易い重大なことだと思うが、既成秩序の維持に当る人々、現存秩序から安寧と福祉とを与えられている人々は、その秩序を紊す人々に制裁を加える権利を持つとともに、自らが恩恵を受けている秩序が果して永劫に正しいものか、動脈硬化に陥ることはないものかどうかということを深く考え、秩序を紊す人々の中には、既成秩序の欠陥を人一倍深く感じたり、その欠陥の犠牲になって苦しんでいる人々がいることを、十分に弁える義務を持つべきだろう。"
不寛容が溢れる現代に於いてこそ貴重な、懐の深い理性に包まれた評論集である。
遙かなる時空の中で2 スペシャル うしろ向きじれっ隊
track1の「奇跡のプレゼント」が特に良いです、笑(←何故笑…)
なんかアイドル?!みたいな曲で非常に気に入りました♪
ベタな歌です(失礼)でもこういうの大好きです~おもろい(え?)
歌詞も曲もアイドルしています(笑)
三人で歌っている曲が3曲、ソロが1曲ずつ。
プラス、キャラクターメッセージ&6曲すべてのInstrumentalが入っています。
メロディーだけ聴くのもまた良かったですよ、癒されます。
「奇跡の~」に激しく衝撃を受けたのでこの歌の感想しか思い浮かびませんが、他の曲ももちろん素敵でしたよ~
遙かなる時空の中で3 with 十六夜記 愛蔵版(通常版)
「ゲーム」という媒体だからこそできる「運命上書きシステム」。
女性向けゲームというジャンルに間違えなく一石投じた、作品。
その最終形態(と願いたい)…です。
・追加された後日談
実際プレイしてみると、一本一本、丁寧でした。 (各キャラクリア後、「おまけ」の回想録から閲覧できます。話によっては選択肢もありますよ。)
いちいち切なかったりときめいたりで、ひたすら参ります。
ただでさえ、切なさで胸が締め付けられた弁慶さん十六夜エンドの歴史。
さらにその後の彼の回想録に、張り裂けそうになりまして…。
(一方、恋愛エンド後日談は、ほのぼのしました。望美の想像がまた…(笑)…どちらの話も好きです)
他にもヒノエとの新婚話(相変わらず甘い!可愛い!)や、
八葉でなくなった敦盛の決着(ほんともうピュア…感動…)…などなど、
「おすすめ」は挙げ始めると正直な話、全部です。一人一人心温まる話が詰め込まれています。ボリュームもあります。
それに際した追加スチルも、またさらに美しい。
強いて残念があるとしたら、この後日談がフルボイスだったなら…
私はなんかもうときめき通り越して爆発してたんじゃないかな。そこが唯一もったいないかも、です。
・やはりPSP
寝転がったり別の部屋だったりでも、気軽にONOFFできて、嬉しいです。
画質も縮小マジックといいますか、やっぱりとても綺麗。背景や、細かな装飾の「美」も見どころな作品なだけに、これは大事なところです。
コーエーさんの移植戦略が賛否両論なのはいまだに変わりませんが、
実際ゲームとしてシステムといい、シナリオといい、素直に質が良いのも、確かです。
つまり面白い。
上記したように移植に際した追加要素も上出来でしたし。移植先がPSPなのも間違ってない。
確かな良作です。
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