巨龍に挑む―中国の流通を変えたイトーヨーカ堂のサムライたち-
イトーヨーカドーが初めて中国に出店した時の様子が、ノンフィクションで描かれている。
最初は、カンブリアとか、ガイアとか、プロジェクトxなどの場面が浮かんで熱くなったのだが、どんどん読むうちに、「中国ってなんてひどい国なのだ」と呆れて、あまりのデタラメに怒りを覚えた。
スタッフとして採用した人が、店の物を盗む。その盗みを防止する為に採用した警備員も盗む。
店内で唾を吐き散らかす。自分のミスを絶対に認めず、全て他人のせいにする。
チラシを配布するバイトを雇ったら、撒かずに捨ててしまう。その為に配布を監視する人を雇う。真面目にして欲しければリベートを要求。
売ってやるという意識しかないので、客にありがとうとかお礼を言う習慣がない。研修の途中で、どんどん辞めて行く。
工事の業者は納期などは全く守ろうと言う気持ちはなく、更に遅れたくなければ…と言う事で、リベートを要求。
オープンしたらトイレのペーパーを盗む。ペーパーどころか、信じられない事に、便器まで持っていかれたらしい。トイレではなく、店内のはしっこで子供にオシッコを平気でさせる親。
仕入れの業者はニセの免許でバイヤーをだます。
こんな事が延々と書かれていると、文化が違うどころの話ではなく、人類としてどうなのかと思ってしまう。この本中国の人が読んでも別に何とも思わないのだろうか?
そんな苦労をしながら、文字通り年中無休で不眠不休で頑張った結果5年後位に黒字転換したところで話が終っている。
そのハッピーエンドを打ち消す、SARSの問題、反日デモの問題。
ここでも中国の隠蔽体質、いい加減さ、暴力性…。
この本は、イトーヨーカドーの成功を告知すると言うより、中国の酷さの告発の書にしか思えない。
Tender grain
電子音が奏でる美しく優雅な一時を与えてくれました。
アルバム冒頭から光の粒子さながらに煌めくサウンドが、波状攻撃とばかりに清涼感満載に降り注いで、フワフワと気持ち良くなれる、全体的に中毒性を秘めた作品でした。
朝は清々しく、昼は和み、夕暮れには切なく、夜には星が降り注ぐような、その時間帯毎に様々な情景を捉える色彩豊かな楽曲の数々です。