いい電子(10) (ビームコミックス)
10巻を迎え、ファミ通連載マンガ歴代の中でも最長期連載であろうかというのに、相変わらず肩ひじを張らずマイペースで連載が綴られており好感触。
2009年最重要ゲームであろう『ドラゴンクエスト'\』を独自の切り口で評価するあたりは相変わらずの批評軸のブレのなさ!
この独自の批評眼はこのマンガの、そしてみずしな先生の最大のみりょくだと思います。
記念すべき500回の石井さん登場もオールドファンには嬉しい限り。
今の担当のゴチさんもいいけど、石井さんのほんわかとした雰囲気も凄くよかった、と懐かしさに浸れました。
時折、盛り込んでくる『アマガミ』、『ラブプラス』等ギャルゲーの回も切り口が斬新過ぎる、ながまさ師匠サイコー。
ギャルゲーの主人公ってネコっぽい性格設定が多いのかも、と思いました。
あと「出張版」や「アシスタントさんの描き下ろしマンガ」、カバー下本体に載っている「お答えしなショー」、途中にはさまれる「あのころのわたし」等追加要素が多いので嬉しい限り。
追加・加筆があると得した気分になる性分な方には、こういうサービス精神が嬉しいのではないでしょうか?
私は追加・加筆要素があると無条件で嬉しくなる性質なので、凄く楽しめました。
みずしな先生のゲーム愛を一番感じるのは、マーベラスエンターテイメントのゲームを扱っている回です。
確かになんか軽く見てしまうところがあるんですよ、マーベラスのゲームに対しては。
そんな風潮に風穴を開けるかのような偉業をなしていると思います。
そんな優しいゲーム愛が感じられるところが本作品の良さではないかな、と思います。
マスタースレイブ(1) (アクションコミックス)
甘酸っぱい青春モノや、ちょっとエッチ風味なコメディだったりの作品が多いような気がするこいずみまりさんが描く、伝奇ホラーな本作です。
はっきりくっきりした描線で描かれたキャラは、思った以上にこういう作品にも合っているように思いました。黒が目立つ絵柄だからかな。なかなか迫力がある。私の好みにズバッとくる絵柄だからかな。
主役の女の子、「まな」と「るい」はショートとロングで僕はるいのほうが好みですが、それはともかく女性キャラがごっちゃになりやすく、どっちがどっちだったっけ、となってしまいましたが、きっとそれは作者の手の上で踊らされていたのでしょう。ちくしょーw
全二巻の前半にあたる本巻は、まさに物語が大きく動き出すまでの導入部分で、しかしラストは衝撃の引きで締められており、あわせてもう一気に二巻買ってしまったほうが良いと思います!
こいずみさんは結構短期連載が多く、正直、もっと長期連載のストーリー漫画を読ませて欲しいと思うこともあるのですが、妙な引き伸ばしの漫画が多い昨今、ここまで潔くスパッと物語を締められるのは、素晴らしいことなのかなとも思います。本作も、引き延ばそうと思えばなんぼでも伸ばせるものだと思いますが、全二巻で終わるからこそ、この後を引くような読後感が得られるのでしょう。こいずみさんのストーリー漫画に共通した、なんともいえない雰囲気というものが本作にも確実に存在していて、ファンにはたまらないものです。何か、うまく伝える言葉がないのですが、ヒリヒリした緊張感というか、空気感のようなもの、でしょうか。
短編ですので、初見の方にもとっつきやすいと思います。是非、いろんな人に手にとってもらいたいなあ。
いい電子 11巻 (ビームコミックス)
内容的には、これまで通りです。
リニューアルのための最終巻となってますが、いい意味で平常営業です。
作者自身も作中にて、そういった主旨のことを語っていますし。
内容的には、モンハンに割かれてる率が高いでしょうか?
モンハンのプレイ日記で、上級者ゲーマーのものより、初心者のズンドコぶりが好きな人には、とても楽しめると思います。
恒例の巻末のアシさんのマンガがページ減だったのは寂しい限りです。
『いいでん』一巻では増ページしていると、個人的には嬉しいです。