ヤプーズの不審な行動
基本的に下のレビューと同感なのですが、幾つか書かせてください。
感情移入する曲は多いし感激したり感じ入ったりする演奏も沢山あるけれど、感動する曲は多くありません。「赤い戦車」は数少ない感動する曲の一つ。美しい曲ではありません。ハードロックです。拳を突き上げ、血を流し、自分の存在を肯定する。「赤い戦車」という言葉の意味するところを知ったとき、不覚にも涙を流しました。元々は「ダイヤルYを廻せ」に収められた曲ですが、ここでの演奏のもつ力はスタジオ録音の数段上です。「ダイヤル〜」を持っている方も、ぜひこのライブ盤も聴いてほしい。
アレンジが違う/ベスト盤のような選曲 というだけのライブ盤ではありません。どの曲もスタジオ録音盤よりずっと力強く聴き手に迫ってきます。ヤプーズとは全く凄まじいバンドであったと再確認させられます。
大天使のように
個人的に結構、好きなんですけど、純ちゃん自身が「あれは私的にワーストアルバム」って言ってるんで、ライブとかでこのアルバムの曲が聴けることは、ほぼ無いですねきっと。
私は孤高で豪華は、ハイテンションな感じで凄くオススメです。
あとチェルノブイリの原爆の事故をうたった、去る四月の二十六日、純ちゃんがアルバムで唯一好きだと言う、憤怒の河も良いですよ。
ただ、ヤプーズ計画の時の、近未来的なヤプーズの雰囲気を随分と受け継いでる感じがあるので、ヤプーズ計画が好きじゃない人には、あんまりかも知れません。
でも、私は孤高で豪華は本当に格好好いんで、やっぱり皆さん聴いてみて下さい。
TOGAWA LEGEND SELF SELECT BEST&RARE 1979-2008
ふとしたキッカケで、最近、戸川純さんを知り、
最初は笑いながら聴いてた。
今は笑いながら、じゃなくて、すっかり癒しとなってます。
こんなに音楽に酔ってしまったのは、かなり久し振り。
あさっての方向を見てたら、ガツンとブン殴られて
運よく正しい方向を見つけたような、そんな気分です。
今日届いて、たぶんこれからヘビロテとなることでしょう。
なんでもっと早く知らなかったんだろう。
戸川純―Jun Togawa as only a lump of meat (fukkan.com)
絶版の本を、みんなの投票によって復刊させようというサイト「復刊ドットコム」で多くのファンのリクエストに応えるカタチで見事復刊を成し遂げた戸川純の写真集。この時期はバンド「ヤプーズ」での活動がメインで、呼応するかのように戸川純のアーティスティックな部分がよく表現された前衛性と大衆性、芸術としてのエロチシズムを併せ持つ素敵なアート作品として楽しめる。写真という視点から見れば、荒木経惟のファンの人にもお勧めできる作品。
DADADA ISM
音楽的に手を替え品を替え攻めてくる、ヤプーズの底力を思い知らされる1枚。私のいちばんのお気に入りは7ですが、こういう世界(ビョーキっぽい、というやつ)のせつなさ・悲しさと吹っ切れ感を同時に歌い上げることができる戸川はまことにすごい。せつない・苦しいだけじゃないんです。諦観の向こうにパカーンと晴れた青空が広がっているようなあの感じ。これがすごい。
あとヤプーズのフォルクローレが聴ける9もいいですね。戸川は「玉姫様」所収の「諦念プシガンガ」ですでにフォルクローレ演ってますが、テクノにまでなっちゃってるとこがイイ。
再発で誰もが手に取れるようになったのはうれしいかぎりですね。