忍者武芸帳 [DVD]
見終わって思ったことは、ちょっと詰め込みすぎやしないか?と言うことでした。
原作の「忍者武芸帳影丸伝」は貸し本17巻にも及ぶ長編。それを最初から最後まで
約2時間に詰め込んだと言うことで登場すらしなかった人物がいたことはちょっと残念でした。
でも力強い主題歌や影丸たち忍者のかっこよさは損なわれてなかったのでよかったと思います。
カムイ伝全集―決定版 (第1部1) (ビッグコミックススペシャル)
初めて読まれる方もいらっしゃるでしょうから最初に断っておきますが
カムイ伝は忍者漫画ではありません。自由・平等をテーマにした大河物語だと思います。
そしてここまで人間を最後の最後まで描ききった作品は漫画という表現においては火の鳥ぐらいだと思います。
江戸時代、被支配階級である農民が唯一、不満を領主に対して表現する手段は一揆であり
領主の搾取から開放される為に繰り返す闘争劇が物語の本流である。
一揆を起こしたリーダーを刑死させる代わりに農民の要求を呑む、これが当時の慣習である。
与えられたわずかばかりの希望を糧に、したたかに生きる農民も描かれている。
特に圧巻なのはラストである。
本来ならば刑死されるはずのリーダーを領主はわざと放免するのである。
刑死されればリーダーは農民たちにとっては英雄である。
しかしわざと放免にしたことでリーダーを領主側の内通者(裏切り者)だったと農民に錯誤させるのである。
見事に騙された農民はこれまで信じきっていたリーダーを
”こいつが裏切り者だったのか”と一斉に殺意を持って襲い掛かるのである。
これぞ支配する人間の伝家の宝刀であり真骨頂である。
(しかも、リーダーが弁解できないように舌を切り取るという徹底振り。)
何という悪辣さであろうか!!
人間の本質をここまで描ききった作品は稀有である。
現在ならばどこかで何らかの歯止めが掛かってもおかしくないが
連載当時の社会的雰囲気も絡んで、途方ない物語になっている。
学生時代に読んで大きな影響を受けました。
読まれていない方は是非読んでみてください。得るものは必ずあります。
一回読んで分からなければ何回も読んでみてください。
出来れば全巻一括で揃えてから読まれることをお勧めします。
サスケ DVD BOX(1)
一番甘えたい時期に大好きな母を亡くしてしまうサスケ少年だが、涙を拭き父「大猿」と共に波乱を乗り越え、成長していくサスケの姿がなんとも格好いい。まだ幼いサスケだが、ほかの子供達に向かって「ちょっとこらしめてやらなきゃダメだな!」と大人ぶるところがカワイイ。また、DVDならではの忍術解説やサスケの故郷紹介などもある。
白土三平論
まず本書の浩瀚さに匹敵(あるいはそれ以上か?)する内容の深さに嘆息。そして、著者には「よくぞ書いてくださった」という感謝の言葉に勝るものは、今のところ見つからない。正直、僕は白土氏の作品をそう多く知っている方では、決してない。(ただ、小学校の図書室に『カムイ伝』があり、担任の先生が「(差別を描いた)すばらしい作品だ」と言ってくれたことはおぼえている。)今、「忍者武芸帳」や「真田剣流」を読むとその読者に媚びることなく、人間のよい面も醜い面も見事に描ききった格調の高さに脱帽する。現代人よ、つまらないハウツー本を読まずに、白土作品を読め!そして理想について語り合おう。