ビヨンド・ワーズ
2002年リリース。まさにボビーでしか表現できない世界がここにある。
彼のこの作品を聴いていると彼の持つボイスの無限の可能性を感じずにはいられない。それ故にチック・コリアをはじめとして彼とアルバムを作りたいミュージシャンがたくさんいるのだ。たとえば自分の弾くピアノが彼のボイスと組み合わさると全く予想もしない音楽ができあがる。そこが競演するミュージシャンにはたまらない魅力なのだと思う。
ここでの音楽にジャンル分けとか不可能だ。彼の音楽は彼にしか作れない。
こちらの公演のほうが、楽しめた。4曲 上に表記がないので、追記しておこう。
1991 01Footprints 02On The Milkyway Express
1992 01Pinocchio 02Peewee/theme p:herbie hancock
ギターがうるさい。90年代前半にありがちなんですが。
ナイトドリーマーよりウェザーリポート時代が好きな方は楽しめる内容では。
ライヴ・アット・モントルー 1996&1991/92 [DVD]
85年に発表された「Atlantis」以降のファンク・ビートを導入したショーターは、かなり好きだ。マイルスに提供した「E.S.P.」などに代表される、ショーター特有のメロディとコードを、ファンク・ビートに乗せている。これがかっこいい。ここから数枚のアルバムは、よく聴いた。
しかしながら、最近のショーターはあまり好きでない。なので、このDVDを買うのはずいぶんと逡巡していた。しかし、買って大正解だ。あのファンク・ショーターがばっちり聴ける。最近名前を聞かないが、ロドニー・ホルムズのドラムも、US版菅沼孝三さんってカンジでいい。アルフォンソと組んだリズム体が、タイトでかっこいい。「Endangered Species」のテンポが速すぎるのが、ちょっと惜しいな。さらには、ハービー/オマーでの「Footprits」は聴けるは、トニー参加の「Pinocchio」もある。むちゃむちゃお買い得だ。
ということで、80年代後半から90年代のショーターが好きな人は、絶対買うべきだ。
TUTU
1年ほど前から、MILESがとても気になる存在になってしまった。きっかけは、ラジオから流れた「COOKIN’」収録のマイ・ファニー・バレンタインである。このアルバムは既に約30年近くも前にアナログで所有していて、当時はさほど感激も受けなかった(あのハーマン・ミュートは軟弱と思った)が、そのラジオ放送には震えが来るほど感激してしまった。改めて彼を聴き直し、再度感激を新たにし、1枚1枚聴き重ねていくうちに、オフィシャル盤についてはほぼ100%のコレクターになってしまった。
マイルスの全作品を通じて、どの期間が好きかはリスナーの好みになるのだし凡人である小生を含めた第3者が、この時期を聴きなさい、などと云う断定めいた言葉は彼のような芸術家を冒涜することにもなるため避けたいのだが、敢えてお叱りを覚悟で申上げれば、「これは彼の後期の傑作の1枚であるので、是非とも聴いていただきたい」、ということである。
ここには、プレスティッジの高名なマラソンセッション時代に通じる歌心がある。絶え間無く進化を続けたマイルスが、過去のある時期に無調時代に突入しながらも、本質的には彼が天才的なメロディーメーカーであったことの疑いの無い証左でもある。
ビッチェズ・ブリュー以降の作品を残さず彼が死んだのなら、彼を偉大と見なさない、と言う意見を納得し共感するためにもこの1枚を推薦したい。まがいなりにもこの感想は、小生が彼のオフィシャル盤を全て聞き終えての結論である。もし更に賢明な貴兄の同意を頂ければ、一人のマイルスファンとして望外の喜びである。