グアテマラの弟 (幻冬舎文庫)
片桐はいりさんにグアテマラに住む弟がいる事を知ったのは、数年前のTVのトーク番組でのこと。
通訳・コーディネーターの職を経たのち、ラテン好きの弟が、グアテマラで知り合った子連れの女性と結婚。
その弟を中心に、著者の両親、弟の妻、甥達、家族にまつわるエッセイが、とてもやさしい。
一つ一つのエピソードに、著者の人間好き、旅好きがよくあらわれていて、笑わせてもらったり、じんわりとした感動で涙ぐませてもらえた。
本書に流れているのは、家族愛とやさしさ。
それをシャイな著者が、照れくさそうに気取らない語り口で綴っているのが、とても感じがよい。
弟のたくましさ、やさしさ、自由奔放さを愛していることが、ありありとわかる。
また、日本とグアテマラの生活、文化の違い、生き方の違い「働くことを尊ぶ国・休むことを尊ぶ国」の比較も興味深い。
また、弟が妻と連れ子と共に、日本にやってきたエピソードも、嫁達をもてなす両親の人柄がしのばれていい話。
特に亡き父と、老いて一人暮らしをする母に想いを寄せるような逸話もしみじみとした。
グアテマラのトイレ事情、少年でも立派に「男であること」を意識して、著者をレディーのように大切に扱う逸話も面白い。
著者と心を通わせた少年、純朴なフェルナンド(小)君が書いた日本語のメッセージを読んで、涙がでそうになった。
わたしのマトカ (幻冬舎文庫)もいいが、本書もとても良いエッセイだと思う。
僕とスターの99日 Blu-ray BOX
北極星(ポラリス)、ジグソーパズル、記憶喪失、再び出会った同級生、どっちが先に彼女を探し出すか、このキーワードって「冬のソナタ」へのオマージュでしょうか!?
韓流ラブコメの、ストーリー展開の王道を踏襲してますね(かなり、研究してます)。
韓流ラブコメ好きの人には、ドップリとはまれるドラマだと思います。
疲れた心を癒してくれる、そんなドラマじゃないでしょうか。
ドラマのストーリ展開に、刺激を求める人には向かないかも…。
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全体の評価をすれば、前半は順序よくストーリーが流れていたが、中盤から急で一気に飛んだような展開になり、もったいない感じがしました。映画なので仕方ないのかもしれませんが、登場人物に背景を与えてもよかったのではないかと思いました。
あらすじは、地味な仕事を続けるだけの人生がイヤになった主人公が自殺未遂をし、一風変わった精神病院に入り、そこで出会う人達を見て自分の人生を考え直す。と言う感じです。
真木ようこさんは、すっぴん(多分)でも綺麗で、体も綺麗でした。でも、この作品の中では哀愁が漂っていて、美人ではなくその辺にいそうな人に見えるかもしれません。それは演技力と演出の効果ではないでしょうか。
非常に小さな世界を描いているので、内向的な気分の時に見るのがいいのではないでしょうか? 自殺したい気持ちになった時でもいいですし、この作品には「生と性」の真実が描かれているので、とりあえず一度見てみるのもいいかもしれません。
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一言で言うと、いじらしい。
ここまでポップでキッチュな映画があっただろうか。
題名を言うときっと皆、ネタ映画だろ、と蔑視するだろうが、見てから言うべきだろうとおもう。なにせ、僕自身も劇場公開当時馬鹿にしていた一員なのだ。
サトエリの天真爛漫なキャラクター。
悪役の、片桐はいり、及川光博、手塚とおるの感動的なまでの熱演。みっちーにいたっては戦いの前に一曲披露さえしてくれます。
そして、村上淳のコミカルな名演。
明らかな嘘のはずのこの映画、この映画をウソではなくしているのが彼らの真摯な演技であろうことは間違いない。
さらにいえば、庵野監督の永井豪へのオマージュが昇華させているのだろう。
ラストシーンの手塚とおるには涙します。
市川実日子、サトエリと背の高い女性が多いので、ラストシーンで男のほうが小さいのはご愛嬌。