Mahler: Das Lied Von Der Erde
データ欄に Deutsche Harm Mundi と書いてありますが,Sony Classical レーベルです.
70年代のバーンスタインの「大地の歌」は,映像ソフトと同時期の録音です.音は,鮮烈とはいかないまでも十分な品質だと思います.
この曲は,要は,管弦楽伴奏歌曲の拡大版ですから,歌手のできが重要です.わたしにとっては,クレンペラー盤のヴンダーリヒとルートヴィヒが最高ですが,ここでのコロとルートヴィヒの歌唱も,声をとっても表現をとっても,水準を数段抜くものです.バーンスタインの要求する猛スピードから,しみじみとした告別まで,ルートヴィヒは,依然として第一級の歌唱です.コロは,とくに管弦楽に埋もれがちになる冒頭楽章でヘルデンテノールの強さをみせているのがうれしい.この曲は,このように始まらなければ面白くないと思うのです.
バーンスタインは,ニューヨーク時代の若々しい直線的(といってもバーンスタインはバーンスタインなんですが)な演奏から,表現が極端,あえていえばエキセントリックな傾向になりつつある頃にあたります.晩年には,よかれあしかれそれが徹底されて独自の魅力となるわけですが,一般的には,このころは過渡期としてあまり高く評価されないようです.確かに,「大地の歌」についても,(独唱にバリトンを起用した点で評価が分かれるものの)芳醇な響きの横溢するヴィーン・フィルハーモニーとの録音の方が上だという意見があって,それももっともだと,わたしも思います.しかし,「バーンスタインの」マーラーを聞こうとする者なら,わたしと同様に,ちょっとよそ行きのところがあるヴィーン版より,縁の深いイスラエル・フィルハーモニーに名歌手を配したこの演奏に,バーンスタインに近しいような感触をもつのではないでしょうか.
MSI スマートに持ち歩けるタブレット WindPad 110Wシリーズ 110W-045JP
【購入の経緯と総論】
OSにWindowsを採用しているタブレット(スレートPC)を探してこの製品を選ぶ運びとなりました。選択肢は数えるほどしかありませんが、その中でも現時点でベストかと思います。ただしSSDは当たり外れがあるようで、少なくとも私の個体は外れでした。このSSDで1点減点としたので星4つです(SSD換装は誰にでも出来ることでないので…)。
【良い点】
・CPUはAMDのもので周波数だけ見ると1GHzと低く感じますがスレートPCと考えると性能は十分です。
・メモリは4GBありますので困ることはありません。
・動画再生支援が働きますのでYouTubeなどは問題なく視聴可能です。
・タッチパネルの応答は良好です。できの悪いスマホよりは良いと知人が述べています。
・バッテリ駆動時間は4時間弱が目安です。ハードに使っても3時間を切ったことはこれまでありません。
・重量は許容範囲です。特別軽くはありませんが、こんなものです。
・価格は(改めてSSDを買う分も含めて)妥当と考えています。
【悪い点】
・最大にして唯一の問題であるSSD
→プチフリし放題で、IEを起動しても頻繁に「応答なし」に陥るほどでした。ちょっと実用に耐えません。しかしこれは別のSSD、私の場合はインテル Boxed SSD 310 Series 80GBを購入、換装してリカバリをかければ解決します(幸いこのSSDはAmazonで売られていますので、同時購入されることを推奨します)。
【補足】
SSDの交換はさほど難しくありませんが、本体を分解しなければなりません(とは言ってもねじ6本+ツメを外すだけです)。このため自作PCを組んだことがない方で、自信が無い場合は避けた方がいいです。
交響曲《大地の歌》 [DVD]
マーラーは生前あることにおびえていました。有名な作曲家が交響曲を9つ書いたところで死んでしまったことです。ベートーベンも第九を書いた後、死んでいます。それで9番目の交響曲であるこの作品に「大地の歌」というタイトルを付けたのでした。声楽を含むこの曲はマーラーの作品の中でも完成度が高い。旋律に無駄がなく、それでいて流れるように美しい。バーンスタインの指揮を見ていると恍惚の世界に入ってしまいます。ビデオを持っているのですが見すぎてノイズだらけになってしまいました。DVDの登場に感謝します。
Das Lied Von Der Erde
演奏は大変すばらしく、評価については他に譲りますが、装丁がごく簡易な紙ジャケット収納です。
解説はありますが、歌詞の独英対訳が記載されていないのは残念です。
盤面はレコード風の黒いデザインなのですが、裏側(演奏が収録されている側)も真っ黒で、ゲームソフトのディスクのようです。
「しまった、特殊なCDだったか。うちのプレーヤーで再生できるのかな」と心配になりましたが、特に問題なく再生できました。
こんなCDは初めて見ましたが、再生できますのでご心配なく。
独ソ戦史 焦土作戦〈下〉 (学研M文庫)
この10年間では、寝床で一番よく読んだ本です。
第2次世界大戦の裏側、ドイツとロシアの戦いをドイツ側(負けた側)の沢山の人からの聞き取りで書かれたノンフィクション作。
特に「焦土作戦」の後半は、一つの国家、民族が滅んでゆく壮大な叙情詩である。
圧倒的な兵力差のロシア軍を相手に、勝利を治めてた智将マンシュタインがヒトラーから罷免されてからの東部戦線はガタガタに崩れ始めてゆく。
絶望的状況下にあっても前線の指揮官、兵の勇気、努力、自己犠牲的精神は米、英、日の戦史では見当たらない。
東部戦線での約束事みたいのがある。それは
「決して捕虜になるな!」
日本のような玉砕、とか生きて捕囚の辱めを受けるな、という精神的なものでなく、ロシア軍の捕虜になると負傷者であろうが、民間人であろうがおかまいなく残虐な殺され方をしたのだ。(詳しく書くと誰も暗くなるので書かない。)
だから命がけでものすごく戦う。アメリカみたいに休養もない。
マイナス25度〜40度の猛烈な寒気の中戦い、ぬかるみで一歩も進めない状態を救出作戦のために向かう。
とにかくドイツ人指揮官は死守命令に従い何千、何万の部下を犬死にさせるか、良心に従い自己判断で撤退(その場合命令不服従で自分は銃殺!)どっちにするかの選択でものすごく苦悩するのだ。
そして最終的な決断をするのだが、ものすごくドラマチックだ!
とにかく一番上に立つ指導者(ヒトラー)が頑迷だと、何十万の人間が犠牲になってしまうというのである。
作者のパウル・カレルはそれを読み応えのある一級の作品にしている。読み始めたら寝られない!
かみさんの寝物語に朗読すると、興味のないかみさんも「面白い!」という。