Lonely Planet Georgia Armenia & Azerbaijan (Lonely Planet Georgia, Armenia and Azerbaijan)
2006年7月の旅行にて使用しましたが、版が古いせいかホテル料金が大幅に上がっている部分などありました。また、トビリシおよびエレバンの地図については、かなり適当でした。ただ、歴史・交通情報をはじめカフカス地方の情報は豊富に載っているので、非常に重宝しました。
食べる。
以前に、偶然「食べる。」の平松洋子さんの書評を見つけて以来、ずっと読んでみたいと思っていた。
やっと昨日時間が出来たので読み始めたら、一気に読んでしまった。一気に食べきった!気分。
今、世界中のどこにでも行けるし、日本国内ですら食べられない世界の料理はないと思えるほど、どんな料理も口にすることができる時代だ。だから、珍味の紹介本なら新しくも何ともない。この本の中にも珍しい料理はたくさんでてくるが、「食べる。」は、世界中の珍しい料理を紹介しているのではないことが、読み進めるうちにわかってくる。
事前のアポも、メールも電話も、自己紹介すらもない。そんな突然あらわれた1人の異国の人間が、「食べながら」全く見ず知らずのコミュニティ―の中に迎え入れられていく。その光景は、一切の無駄なものを削ぎ落とした、究極のコミュニケーション手段であるかのようだ。
あくまでも媒体としての食、いや、媒体としているのは料理そのものではなく、著者の食べる、という行為である。異国で、異人として…
いや、そうではない。日本で、たとえば家族や友人と日本食を囲むときだって、食べることは人と繋がる手段であるはずなのだ。そのことを、もう何年も忘れてきたような気がする。
この人の食べ方は、野性的で、情熱的で、そして、本気で食べることで、相手に敬意をもって確かな何かを伝えるのだ。
久々に出会った珠玉のエッセイ、静かに読みたい逸品である。