ラストエンペラー オリジナル版 3時間39分 [VHS]
購入してみて「あーやっぱりオリジナルはええなあ〜」と思いました。
DVDで見てる分にはそれなりに良いのですが、オリジナルを見てしまうと「あ!こんなシーンもあったの?」「あ!だから(ストーリーの流れが)こうなってたのか!」というのが多いんです。これはやっぱりオリジナルで見ていただきたい。オリジナルを何回も見ていくと、もうDVDでは物足りなくなってきます。だから私はあえてDVD購入を見送ってビデオを購入しました。なんでこれがDVD出さなかったのか不思議です。オリジナルを見ていると全く別物くらい配慮の細やかさとストーリー・画像の豊かさが見えてきます。
紫禁城の黄昏―完訳 (上)
岩波で省略されている箇所が完訳されていて、これまで隠れていた全体像がようやく分かるようになりました。当時の清朝の内情を知る最高の歴史資料です。
レビューに訳文に対する批判がありますが、私はすでに中国史に興味があったためか、それほど読みにくく思えませんでした。読みにくいのはなじみのない中国人名がたくさん登場するからかもしれません。
単純な勘違いは誰にもありますので、これぐらいの大著になれば誤訳があっても(残念ではありますが)、仕方ない気もします。誤訳は、渡部氏が
まえがきで指摘した以外に岩波にもあります。たまたま見つけたのですが、1行抜けていたり(訳し忘れ)、「ええ、ほんとかよ?」と首をひねる箇所もあります。また完訳版は日本語力でも決して岩波に劣っているとは思えません。原文に一字一句あたるなら話は別ですが、1箇所誤訳を指摘したぐらいで、誤訳が多々ある欠陥品のように断言するのは、どうかと思います。ひょっとしたら渡部ファンを装いながら、この本の出版を喜ばない岩波ファンでは?
英語の勉強のため、原文にもすこしあったてみましたが、原文自体が現代の平易な英文に比べてかなり長いし、難しく、相当の英語力が要求されるように感じました。それから見ると、訳文は、原文の雰囲気を保ちながらも、よくぞここまで訳したと感心しています。
ラストエンペラー [DVD]
あらすじ☆4つ
幼少皇帝溥儀の数奇な運命をその後の人生と清王朝の没落とオーバーラップ
させながら映像化したもの。
ファシズムに傾倒するベルトリッチ監督が溥儀の人生を軸として
清王朝から中華人民共和国への変遷を、さらに日本と満州との関係を描いた
大河ドラマ。
キャスト☆3つ
ジョン・ローンの演技力は無論素晴らしい。それ以上に王妃役のジュアン・チェン
の演技は迫力がある。
ケシの花をむしゃくしゃ食べるシーン、「皇帝に乾杯!」とグラスを持ちながら
スローモーションで立ち去るシーンは何度観ても切ない感傷に浸ります。
そして今でも脳裏に焼き付いている。
映像美、修辞法☆5つ
撮影監督にヴィットリオ・ストラートを起用。ベルトリッチの良き片腕です。
彼の創作する映像美は迫力満点!
修辞法としては映画の最初のシーンの溥儀が便所の中で手首を切り、自殺未遂する
シーンから幼年の溥儀が皇帝に即位するシーンまでありとあるゆる所に強烈な
修辞法が用いられています。まさに「ラストエンペラー」を名画たる所以は
この修辞法の抜群な使い方によることが大きい。
>この映画の反対意見を聞くと
清王朝の妾制度を欧州の人間から批判するのはおかしい。
コオロギから始まりラストシーンもコオロギにリンクするのは弱い(村上龍)
など批判的意見もあります。
しかし個人的にはこの映画の影響を強く受けて、やはり至高の映画と感服しています。
最後の宦官秘聞―ラストエンペラー溥儀に仕えて
散々映画や物語の題材になっている清朝末期の出来事ですが、実際に体験した人の記録としてもおもしろく読みました。ただ、自分自身が登場することで、脚色は幾分あるように感じましたが・・・。