怒髪天/「真夏のキリギリス」増子直純コメント付
今年のサマーソングはこれに決まり! まさかの80年代J-POPオマージュ!! 増子直純からのコメントも合わせてお楽しみください! www.teichiku.co.jp
早々に明かされる事件の大筋に、残りのページ数とひき比べて、どのように決着をつけるのだろうか?
と首をひねりながらも一気に読んだ。
水上氏は、あとがきで、発表当時「推理小説」としては不手際とされたこの語り口による本作を「人間小説」と呼んでいる。
そして、奇抜なトリックを駆使して約束事に縛られて書く推理小説に、ある種の空しさを感じていたことも告白している。
推理小説を読むことを楽しみ、自ら発表しながらも「どこかからふいてくる空しさ」にがまんならなかったと。
改めてこの作品を噛み締めてみたとき、「救済」という言葉が浮かんだ。