Cut (カット) 2012年 02月号 [雑誌]
CUT2月号の特集は「2012年は彼らだ!」。
充実のインタビューが続きます。
BUMP OF CHICKEN。
藤原基央インタビューは、
なんだかはっきりしなくて高校生のようなシャイでナイーブな少年に対するもののよう。
野心と理想を追求しようとする大人の志も感じられ、とてもアンバランスな印象。
これがBUMP OF CHICKEN。
松山ケンイチ
大河ドラマ『平清盛』に没頭する日々。無邪気に大役にのめり込む感じがキュート。
まだまだ若手です。
阿部サダヲ
『マルモのおきて』のブームもこの人には関係なく、あくまでマイペース。
まあ、いそがしい人です。シンプルに役を楽しめる役者さんですね。
インタビューのテンションの低さが逆に阿部サダヲ的です。
戸田恵梨香
役者が代表作に巡り会うことの意味の大きさを感じられるインタビュー。
劇場版『SPEC』の撮影を通じスタッフや共演者との熱い絆を感じます。
頭のいい女優さん。
仲里依紗
売れっ子女優はエネルギーが余っていますね。
そんなエネルギーや充実感を感じるインタビュー。
染谷将太×二階堂ふみ
映画『ヒミズ』の染谷・二階堂コンビ。
昨年のヴェネチア国際映画祭で新人俳優賞を獲得したふたりの仲のよいインタビュー。
お二人ともまじめですね。
杏
素直で感じのいい女優さん。
気がつくと人気が出てしまった現在の環境に対する戸惑いと、
今後のキャリアへの希望。
育ちがいいのでおっとりしてます。
クリント・イーストウッド
さりげなくクリントイーストウッドのインタビュー。
しぶい。
アンフェア the answer DVDプレミアム・エディション
私はドラマ版「アンフェア」のファンでしたが、SP1で雲行きが怪しくなり、
それに続く「劇場版1(the movie)」の あまり出来の悪さに落胆した人間です。
本作の直前に北乃きい主演の「ダブルミーニング 二重定義」が放送されましたが、
ほとんど本編に絡まない内容であったため、地デジ録画だけで済ませました。
この最終作「アンフェア the answer」はネット上での酷評がすさまじかったので
まったく期待せずに劇場へと足を運びましたが、単にドラマのイメージと異なって
いるというだけの話で、劇場版1より遥かに完成度の高い仕上がりとなっていました。
また香川照之さんも少ない出番ながら、非常に重要なシーンを熱演されていますし、
監督の佐藤嗣麻子さんによる女性視点でのストーリー描写が目立つ作品です。
プロテクトドングルの謎を打破する香川照之氏のIT技術力が神レベルだったり、
予告編インパクト画用に殺される無関係な女性がいたりと違和感もある作品ですが、
そういった欠点を補って余りあるほど、最後に悪党をギャフンと言わせた後、
「○○、馬鹿かお前は…」と吐き捨て→夫婦の絆を見せ→テーマ曲→タイトル→
怒涛の伏線回収しまくり映像群→中島美嘉「Love is Ecstasy」で決めるという
素晴らしい演出が最高に格好良く、有終の美を飾っていると思います。
映画「シックスセンス」のように、1回目より2回目の方が楽しめる映画であり、
実際の国家機密が入ったUSBメモリの行方を考えるだけで面白い傑作邦画です。
THIS IS FOR YOU~THE YELLOW MONKEY TRIBUTE ALBUM
一番初めに聞いたときは、がっかりして一瞬売ろうかと思いましたが、
せっかく大好きなイエローモンキーのトリビュートが出たんだから記念に置いておこうと
思いとどまって、今本当に良かったと思っています。
一度聞いたときの、自分の中の拒否反応を分析すると、
今まで、何度も何度も聞いてきたイエローモンキーの演奏が頭の中にありすぎて
他のアレンジや、声を受け入れられなかったんだと思います。
最近また、取り出して聞いてみたところ、このCDのすばらしさが分ってきました。
参加したミュージシャンが、力の限りを尽くしてイエローモンキーに、吉井和哉に真剣勝負を挑んでいる。
そんな感じがしました。
例えば、バラ色の日々とか、すばらしかったです。
あんなギターのリフもありなんだ。あんな聞かせ方もあるんだ。と思いました。
聞き終わったあと、「かっこいー・・」とつぶやいてました。
吉井さんは、きっと嬉しいような、悔しいような気持ちなんじゃないかな。
くっそー。俺ももっと凄いの作ってやる!と、吉井さんのハートに火をつけるような、そんな熱演ばかりでした。
何よりも参加ミュージシャン達の、イエローモンキーへの愛情と、自分の音楽への挑戦とか野心とがない交ぜになって
すごいエネルギーを感じます。
モーガン・フィッシャーさんの素敵なアレンジも聞き応えがあり、清涼剤のようにすがすがしいです。
一度聞いてがっかりした皆さん。
ぜひもう一度聞いてみてください!
TBS系ドラマ「白夜行」オリジナル・サウンドトラック
叙事的な小説・白夜行を情緒的なドラマ・白夜行としてリメイクするのに
一役も二役も買った名曲たち。私も東野奎吾のファンで、他のファンの人と同様に
第一話の出だしに面食らってしまいましたが、それでも次へ、次へと引き込まれて
いったのは音楽が素晴らしかったからだと思います。
「25.祈り」曲頭4小節のバイオリンを聴いてみてください。このわずかに音程を
ずらしたバイオリンの旋律がドラマ・白夜行で最初に耳にする音です。
ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語 (Zoran Zivkovic's Impossible Stories)
ユーゴスラビアの作家、ゾラン・ジフコヴィッチによる幻想的な短編が3本おさめられている(3編それぞれが、異なる短編集に収められているもの)。ニューヨークタイムスの書評「ゾラン・ジフコヴィッチを「新世代のボルヘス」と呼ぶには早すぎるかもしれないが、彼がトップ候補であることに異論はないはずだ」が、この本のすべてを物語っていると言って良い。ボルヘスが好きな人であれば間違いなく気に入るだろう。邦訳されたものが他にないのが残念である。