天国と地獄 [DVD]
タイトルとなっている、『天国と地獄』は、作品の中に、いろいろな形で現れる。
もちろん、一番大きいのは、誘拐の動機である『天国と地獄』だが、例えば冒頭、主人公権藤(三船敏郎)と他の重役たちとのやりとりや、脅迫電話が掛かって来て、息子が誘拐された(地獄)と思ったら人違いだった(天国)、なんてところも、天国と地獄を行ったり来たり……。
前半部分は、権藤邸内という狭い舞台の中だけで物語が進められ、密室心理劇のよう。
後半は一転して、走る特急『こだま』車内でのスピーディーな展開から、刑事たちが地道な捜査により犯人を追い詰める過程が描かれる。
捜査の中心となる刑事・仲代達矢の淡淡とした感じがまたいい。当時の風俗もまた、興味津津ものだ。
特典映像の『撮影裏話』もおもしろい。
DVDを買うなら、『生きる』や『隠し砦の三悪人』など、他の7作品とセットになった『黒澤明 : THE MASTERWORKS 3 DVD BOXSET』の方が、値は張るけど、その価値は充分あると思うし、割安なのでオススメ。
マグマ大使 DVD-BOX 【初回限定版】
映像を観たところ、なんと毎回のタイトルテロップがない!…メニュー画面をよくみると別チャプターとして観られるようになっているのですが、おそらく現存していないだろうものは、当然ながら収録されておりません。ウルトラQなどもそうですが、海外輸出先の言語のテロップを後から合成できるように、当時フィルムそのものにテロップは焼き付けず別にしてあったのです。なので全部の話数分のテロップが無い以上、全体をテロップなしの形にせざるを得なかったという事なのでしょう。その点が残念です。さらに5月にはすぐさま単体でバラ売りを開始するとの事…。この不況の折り仕方ない面はあるとは思いますが、かなり値の張るこのボックスを無理して購入した者としては、もう少し待ってからにしてくれてもいいのでは?というのが率直な気持ちです。とはいうものの、こちらは高くてちょっと…という方には朗報ですし、今の子供たちにこの夢のある作品を観てもらうには、きっと良い事でしょう。ただサントラCDも付いていますし、マニアの方はこちらを買ってください(笑)