ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)
別件で調査中にたまたま手に入れることになった一冊。
しかしながら読み出したら夢中になってしまったことを白状する。
「ハーメルンの笛吹き男」は、実際にあった子供たちの集団失踪事件がモデルにあるという意味で、他の童話とは一線を画すムードが高い。
そのせいか、かれこれ400年ほど、この話に絞った研究がどっさりあるのだ。
本書は、そういった研究を概観することができるうえ、ドイツの古文書を徹底的にあさった経験とスキルを持つ著者による考察がついており、非常に優れた内容である。
本当に面白いので、この話に興味があるならば必読というだけでなく、読み物としても推奨したい。