パルプ・フィクション ― オリジナル・サウンドトラック
映画『パルプ・フィクション』観て、「おもしろい!」と思ったら、このサントラも絶対に気に入ると思います。懐かしいような新鮮さ・奇抜さで映画界に旋風を巻き起こしたタランティーノですが、映画のBGM選曲にもセンスが光ります。サントラは新鮮のようで懐かしい、往年の名曲と知られざる名曲、そして曲に挿入される役者のセリフ。何しろ、映画をそのまま音楽にしたような感じの名サントラです。おすすめ。
パルプ・フィクション [DVD]
この映画では一見バラバラっぽいエピソードが、まるでジグソーパズルのように最後ではきっちりと繋がっていく。
その話は、ちょっと重たいところあり、軽いところや笑ってしまうところもありで、ちょっとつかみどころが無いが、ここではタランティーノ監督の采配が生かされていて、2時間半を越える長尺の中、最後に「なるほど」と納得させられる終わり方となっている。
また、登場人物が一見無鉄砲なセリフを言っても、それが後々まで伏線としてひっかかってくるのもいいし、それぞれが長いシーンなのに不思議と無駄が無いことがわかる。
個人的には、やはりラストのエピソードが一番面白かったが、なぜかそれを書くと次から次へと他のエピソードが蘇ってくる。出演者ではトラボルタやウィリスも良いが、特にマーセルスの妻を演じるユア・サーマンが生き生きとした演技を見せている。
彼女はその後「キルビル」でも活躍するのだが、やはりこの映画が脇役とはいえ当たり役ではないだろうか。
また、この映画ではブルース・ウィリスに日本刀で切らせるシーンがあるのだが、これはタランティーノ監督が日本映画、特にヤクザ映画のファンであることからであり、それは後のキルビル2作へと生かされていくことになる。
そういえば劇中で大男2人がホンダのシビックに乗って活躍するシーンがあるのだが、それも彼らしい発想でどこか気持ちがいい。
タランティーノ・コネクション
タランティーノの関わった映画のサントラベスト。だが、この一枚で一つの作品のように統一感があるのは、もともとバラエティに富んだ音楽で充満している彼の作品だからこその逆説だろう。それぞれの映画のイメージを表現したブックレット(これがとにかく恰好良い!)を見ながら聴くと、箱庭的に映画を体験した気分になれる。ただ、そのためには元の映画を観ておかなければならない。もし映画を知らない人が聴けば節操の無いオムニバスとしか思えないだろう。それでも充分面白いかもしれないが。