MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2011年 12月号 [雑誌]
Perfume特集目的で購入。
内容紹介を読んで、前回同様に分かってる人の特集になるかなと期待して購入。
『JPN』全曲ガイド、ライヴDVD全6作品を紹介、特集とは別のアルバム・ピックアップは読みごたえのある内容。
書き手自らの意志を持って、作品と向き合ってるのが伝わってきて、これだけでも買ってよかったと思えた。
しかし、インタビューとPerfume論が微妙すぎる。
インタビュアーは、決まりきった設問をこなしてるだけで、たまに自分の好きな話題にだけ飛びつく。
そんなことなら、3人がテーマに沿って自由に語ってる方が、実りある話が聞けたように思える。
Perfume論も同様に、一方的な視点でのみ語られ、ここ最近のPerfumeとその周辺での現象を俯瞰できていないようだ。
いつもながらの読者じゃないので、参考にならない部分もあると思いますが、特集への過度な期待はお勧めしません。
ケイト・ブッシュ・ライブ [VHS]
映像は、やはり古いので最初はとっつき難いのですが、じっくりみるととても素晴らしいショーであることが判ります。ケイト・ブッシュのパフォーマンスは本当に隅々まで考えられており、一挙手一同に意味があります。ビデオ・クリップでも同じパフォーマンス(ダンス)が観れますので、是非堪能して戴きたい作品です。
Never Forever
自らのプロデュースにより、その天才が全面的に開花した作品であるといえる。個々の楽曲はそれぞれが極めて多様な独自の作品世界をもっている。が同時にアルバムとしての統一感があり、それをもたらしているのは音楽家としての天才的なセンス、実力ということは自明として、むしろそれをはるかに越えたところにある彼女の類稀な研ぎ澄まされた感性、限りなく純粋な救済、真理を求めての祈りのような衝動ではないか。それを感じ取ることが本作品を聴く意義であり歓びであるといってよい。
よく耳を澄まして聴いてみて欲しい。聞こえてくるすべての音が生命と霊感にあふれ、心と身体を突き抜けていく感覚に満たされることになります。
雪のための50の言葉
その昔、ケイトブッシュは私の歌姫でした。
でもイギリスにはもっとスゴイ歌姫(Sブライトマン)がいたわけで。
どうやってマーケティング的、アーティスト的に差別化したものだろーかと案じていたわけですが、
ちゃんと自分の場所を見つけて戻ってきましたな。
へんてこな踊りやロック・ポップではなくて、本人が認める「ケイトブッシュ」として。
何で自分のカバーなんかしていたのか・・・、というのも今や明白。
ケイトブッシュはケイトブッシュであるためにケイトブッシュしてみた。
そしてプリミティブな何かをつかんだ、という感じ。
大したもんだ。
50 Words for Snow
10代で、誰にも到達できない高みへと登りつめた彼女。
その豊かな色彩、質感。独創的なメロディーと声の奔放な跳躍。
高く、遠く、譬えようもないほど鮮やかで、撓やかだった。
予測不能な世界が展開され、しかもその世界は、怖いほどの圧倒的な美しさに満ちていた。
「驚異」とか、「稀有」という言葉は彼女の為に存在すると思った。
自分自身が10代だったこともあり、1stから3rdアルバムまでの彼女の世界に夢中になった。
何十年もの間、3rdアルバムまでの彼女と比較することは彼女にとって不本意であり、早熟な天才ゆえの悲劇でしかないかも知れない。
しかし、個人的には「Dreaming」以降、独自の世界を追求し続ける彼女の姿勢には敬服し、彼女は無視できない存在であり続けるものの、
アルバム・個々の楽曲ともに、どうしても初期ほどの強烈な魅力を感じることができない。
自分自身が年をとり、感性が鈍化していることも否定できないが。
期待と不安が交錯する中で予約し、聴いたが、
この作品の静けさの中に、大人になった女性が表現する奥深く美しい世界があると受け取ることができるか、否かで、
評価は分かれると思う。初期の彼女が好きな人には辛い部分があるだろう。
しかし、論議を呼ぶ作品ということは、それだけ魅力あるアーチストであり続けている証拠。
あの頃のKateをいつまでも求めては駄目、ということだろう。