こんな夜更けにバナナかよ
主人公の鹿野さんは筋ジストロフィーを患い、少しずつ体の機能が>低下していく。一日一日が死に向かっていると自分でわかっている時、人はどういう行動だろうか。自暴自棄になるか、あるいは
残された日まで精一杯生きるのか・・・。
面白い。介護の本であるのに「面白い」というのは不謹慎かも
しれないが、本当に面白いのである。私の「介護者と介助者は純粋無垢で美しい関係」で結ばれているという構図が消え去ってしまった。この本を読んで・・・
鹿野さんと彼を取り巻く多くのボランティアたち。鹿野さんだけでなく、この本に描かれているそれぞれの人間模様に多くの共感を覚えるところがある。人によってボランティアをする意義がちがう。それは例えば、本当に困っている人を助けたいとか、誰かに必要とされていること確認したい、はたまた自分より不幸な人を見て生きる力をもらうetc・・人間の弱さと強さ、やさしさと厳しさが垣間見ることができた。この本を読んで、主張することの大切さを学び、また自分の障害者とボランティア(健常者)の「障害者<健常者」という一種のステレオタイプが剥がされた。
この本の面白さは、ルポルタージュ形式で臨場感あふれるタッチで描いている点である。まるで自分が鹿野さんやボランティアの隣にいる錯覚に陥ることだ。またボランティアをしている健常者のそれぞれの生き様や考え方を織り交ぜているので、「介護」というある意味気難しいテーマも介護の経験をしたことがない健常者にも自分の人生と思いを重ねて共感をおぼえることだろう。
ちなみに私の友人5人に回し読みで本を貸したのだが、全員が最後で号泣したとのこと。もちろん私が泣いたのは言うまでもない。。
脳から血~でるほど考えろ!!
日々の仕事において、自分自身も含めて「マニュアル」を求める傾向が強い中、自らの頭で「考えろ!」というタイトルは非常にインパクトがありました。
本文を読んで思ったのが、自分は脳を使っていただろうか? という気付きでした。
パターンだけを追いかけて、考えていない、考えずに安全で安易な方法ばかり探している自分に気付きました。 社会人15年目で遅いかも知れませんが、もう一度自分の脳みそを鍛えたいと感じさせてくれました。
筋ジストロフィー患者さんのための楽しい食事
筋ジストロフィーは、進行型の疾患です。
筋力が落ちることは、多くの方が知ってらっしゃいます。
加えて、呼吸機能や嚥下機能も低下するのです。
本書では、筋ジストロフィーの方の食事について、
実際にメニューを例にあげて書いてあります。
写真、作り方も載っています。
嚥下しやすい条件について考慮してレシピが載っています。
密度が均一か、適度な粘土があるか、
口腔をなめらかに通貨するか、のどごしがよいか。
障害の進行が様々なので、食形態も一概に決められるものでは
ありませんが、本書を手に取り、レシピを検討する価値は
じゅうぶんにあると思います。