時をかける少女
この映画は1997年にモノクロの実写版で公開されたもので、1983年の原田知世主演・カラー実写版、2006年のアニメ版の狭間に位置しているのですが、大々的な宣伝もなく公開された映画なので、存在自体を知らない人も多い、ある種幻の映画です。97年版では原田知世がナレーションを務めています。
このサウンド・トラックには松任谷由実の楽曲が2つ入っており、一つは #1 の「夢の中で〜We are not alone, forever」、もう一つは #13 の「時のカンツォーネ」です。これらの楽曲は、同年に発売された松任谷由実のオリジナル・アルバム「スユアの波」にいずれも収録されているのですが、「夢の中で〜We are not alone, forever」は「映画ヴァージョン」として、このサウンド・トラック、そして別途松任谷由実がシングルとしてリリースした「Sunny day Holiday」のカップリング曲として収録されており、「スユアの波」に収録されたものとはミックスとAメロディーの歌詞が一部異なっているのです。
「時のカンツォーネ」は、83年に「時をかける少女」というタイトルで発表された曲の歌詞の殆ど全てを流用して、メロディーを大幅に変更した曲ですが、「スユアの波」に収録されたものと、このサウンド・トラックに収録された曲とはミックスが違っています。
松任谷由実のコアなファンなら、こういったミックス違いや、ヴァージョン違いの楽曲の聞き比べは、「どこが違っているでしょう」的なクイズとして、楽しめるでしょう。特に「時のカンツォーネ」のミックス違いは、他のどのCDにも入っておらず、このタイトルのみに収録されています。
しかし、残念ですが、現在は廃盤。元々日陰者扱いの映画であるために、将来的にこのタイトルが復活する可能性は低いと思います。コアなファンなら入手しておくべき音源です。
必殺仕事人 激突!DVD-BOX
必殺シリーズ第30弾「必殺仕事人・激突!」のDVDの発売と成りました。
これをもって足掛け9年に渡り続いた必殺シリーズDVDもリリース完了となります。
今作は1987年に「必殺剣劇人」でのTVシリーズ終了後に年に数回のTVスペシャルで継続してきた総決算として1991年の10月より毎週火曜夜9時にレギュラー放送を再開させたものです。 いわゆる「必殺仕事人」としては9作目になります。
従来の仕事人シリーズが好きな人、特に仕事人III以降が好きな人にはオススメできる内容とは思いますが、マニアの人達には「必殺仕事人V・旋風編」と並んで低評価される事が多いです。
・仕事人狩り部隊の覆面組が中途半端に退場
・時計屋(後にフリーター)のキセルビーム
・お面おばさん
・目黒祐樹が演じる同心成川が結局ただの同心だった
・ビデオ合成がちゃちい
・後半になると仕事人達が滅多に全員揃わない
・酒井和歌子が演じる元締の初瀬が前半数話と最終回にしか出てこない
・田中様の消滅
・ナレーター徳光和夫
…あくまでも個人的意見ですが、ざっと思い付いただけでも上記の様にかなり不満点があります。 しかし、主水と秀のゴールデンコンビの復活や剣豪・滝田栄氏が演じる山田朝右衛門の豪快かつ流麗な殺陣は見応え十分ですし、そして何と言っても藤田まこと氏熱唱の主題歌「月が笑ってらぁ」等々、見所が多いのも事実です。
なのでここは余程の必殺マニアやコレクターの人以外は、特に未見の人はレンタル等で作品内容を十分に確認されてから購入を検討されるのが無難でしょう。
尚、この作品以後「必殺仕事人2007」までの15年間、必殺シリーズのTV作品は空白の期間が生まれる事になります。