トータル・フィアーズ [DVD]
筋を通す二人の男を、モーガン・フリーマンとベン・アフレックが、見事に演じていて、まことにすがすがしい。自身の内面に確固たる価値基準を備えた者こそが、時代を画して、歴史を動かす、ということを、主張している名作品です。
トータル・フィアーズ (通常版) [DVD]
トム・クランシーの描くジャック・ライアンもハリソン・フォード、アレック・ボールドウィンに続いて本作品で三人目となったが、シリーズを継続して見ていると突然若いベン・アフレックとなったのには違和感がある。ジャック・ライアンは士官学校でヘリコプター事故にあって重傷を負い、奇跡的に歩けるようになったが背中の痛みに終始悩まされ、また結婚して子供もいるという設定であったはずだが、ここでは独身で元気一杯である。それはそれとして、核兵器テロの黒幕であるネオナチ集団が核大国である米国とロシアの間で核戦争をさせようとする陰謀を企んでいるという設定やスーパーボールで爆発した小型核爆弾が放射線被害すらもたらさない通常爆弾のような設定には見ていても無理がある。今までのジャック・ライアンシリーズでは、あらすじの面白さと登場人物の個性の描き方から言っても「レッド・オクトーバーを追え」の方がはるかに優れている。
トータル・フィアーズ 完全日本語版
以前からトム・クランシーシリーズのゲームを遊んできましたが、このゲームは敷居が低いと言うかゴーストリコンに比べると簡単な気がします。
ネット対戦するには楽しいソフトだと思います。
トータル・フィアーズ ― スペシャル・コレクターズ・エディション (初回生産限定版) [DVD]
映画のパンフレットに「核爆弾投下の惨状の描写が甘いと言われるむきもあるだろうが、投下後の緊迫状態からが本番なのだ」(要旨です)とありました。まさにその通りだと思います。惨状の描写が甘いとはいえ、充分に緊張感を伝えてくれます。
ストーリーの展開もテンポ良く進み、主人公のラブストーリーも濃くなくて良かったです。へんにベタベタと恋愛が絡んでくると、せっかくの雰囲気がこの場合台無しになると思いますから。
さらっと観られる映画ですが、終わった後に色々と考えさせられる映画でもありました。
恐怖の総和〈上〉 (文春文庫)
この作品は映画にもされたけどは、トムクライシーものには珍しく、小説も、
良くできた映画の方も、意外に意外に人気が出ず、不思議に思った。
確かに、この小説はのプロットは相当難解なところがあったが、終盤のクライ
マックスの迫力は、とにかくもう本を手放させなくなる(その意味で、これは
「上」のレビューだけど、絶対に「下」まで行って欲しいと思うんですね)。
この作品は、核の恐怖、と言うより、人間の猜疑心の連鎖が超大国の間で起る
ことの怖さとてもうまく描いていると思う。
ただ、原作の題名(「恐怖の総和」)も、映画の邦題(まんまの、「トータル・
フィアーズ」も、微妙になんのことかわからない、と言うところがちょっと一般
受けしなかったのか。
僕は、これは「愚か者の論理」か、「猜疑心の連鎖」の感じかな、と思います。
とにかく、そのちょっと取っつきにくい邦題にかかわらず、この作品はポリティ
カルサスペンス、ウォーゲーム、近未来サペンス。。。様々な方向から一級の娯
楽性を持ちながら、今の我々の危ういパワーバランスの世界が、余すことなく描
かれる、これはおすすめの作品です。
ちょっと題名のことで、☆一個減らしています。