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ドッグ・マン・スター(コンプリート・エディション)(DVD付)
歴史に残るのなら衝撃の1st、
ヒット作というのなら次作の3rd、
でも、最もスウェードらしい最高傑作というのなら、
迷わずこの2ndを推したい。
セクシャルで陰鬱で妖艶なスウェードを象徴するようなアルバムだ。
繊細に張り巡らされたバーナードのギターワークが冴え渡って、
暗い雰囲気の中にも、
圧倒的なパワーを秘めた曲が多く、
思わず胸が熱くなる。
Disc1はオリジナルのリマスター音源とデモ。
(別の作品でも書いたが、デモは別Discに入れて欲しかった!)
Disc2はカップリングにヴァージョン違い。未発表曲も。
(本当にこの時期はカップリング曲もいい!)
DVDには「Stay Together」のビデオクリップと、
(1曲だけなのは物足りないが・・・)
ツアー用の映像、(なかなか面白い!)
それに2ヶ所のライブ音源。
音も映像も質の良くないブートレグ級だが、
これだけ惜しげもなく詰め込んだところに拍手!
バーナードとブレッドのインタビューに、
サイモンが撮影したと言うオフ映像。
合わせて2時間30分近くを収録。
この値段で、ここまでできたのは、本当に凄すぎる!
買いでしょう!
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ドッグ・マン・スター
癒し系という音楽では心は癒されないのなら、アナタのこのCDへの切符はそれで十分ではないでしょうか。
なんと行ってもこのバンドの魅力は若い世代の不安を美しいと歌うところにないでしょうか。Suedeの曲の中に流れる確固としたひとつのメッセージ、それはうつむき、なやみ、つぶされそうなそれとも、もうおしつぶされたあなたを彼らは「肯定」します。それは不必要な、言い換えれば不自然な大人の感覚、「悩みを大人にいってごらん」的な不自然かつ一つ間違えば不気味なものではなくもっとそっとしたもの、ただそうあることは決しておかしいことではない、かえって美しいことなんだよとでも言っている様なことです。 がんばって生きて行くのも大事ですが、常に自分を押すことはないんじゃないでしょうか。 もうひとつ欲を言わせて書きますと、ボーカルのBrett Andersonは現在の無名のカリスマでです。
聴いた人だけのストーリーを生むCD、ぜひお見逃しなく。
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スターマン [DVD]
映画ってのは、安く作って全然いいのですな。
言いたいことがある限り、どんな作りでも構わない。
この作品、いかにもアメリカ人が好きそうな
宇宙人ものの衣を着せた南部福音書伝道映画です。
土臭い映画です。
最後の方で、主人公二人を逃がしてやったマーク・シャーマン
に国家安全保安局の上司が怒鳴りつけます。
Shermin, you are finished.
I will have you eviscerated for this.
(シャーマン、お前は終わったな。私がお前の腸をひきずりだしてやる。)
するとマークは、悠然と葉巻をくわえながら言い返します。
Well, as much as I hate to stoop to symbolism.
(そうかね。俺はシンボリズムには絶対屈しないぜ)
いやはや大したロック野郎だぜ、カーペンターのおっさんは。
そうだ!あらゆるシンボリズムに唾を吐け!
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スターマン
この作品が公開されるまで、カーペンターの代表作は「ニューヨーク1997」だと思ってましたが、こういうラブストーリーも撮れるんだと感服しました。設定には自身の作品のモチーフが使われています。口の悪い人に言わせると、「E.T.の大人版だ」などと詰まらぬ言いがかりを言う人もいましたが、誰がなんと言おうと、「ゴースト」よりファンタジックで、「E.T.」より繊細で、「未知との遭遇」より壮大なラブストーリーです! 主演のジェフ・ブリッジス、カレン・アレンもさることながら、彼らをサポートするチャールズ・マーティン・スミスが何ともいいアジ出してます。「アンタッチャブル」の時よりGoodです。そしてこの作品のうれしい誤算(?)、カーペンターは自分の作品には自分の音楽をつけてくるんですが、こっちではジャック・ニッチェを持ってきてます。これがまた実に合ってるんだなぁ… 映画を見終わったら、音楽だけ聴いてみてください。泣けます…
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スターマン [DVD]
めずらしやカーペンター監督によるラブ・ファンタジー。細かいところまできちんと気が配られていて神経質なカーペンターらしい。余韻の残るエンディングと撃ち殺された鹿を生き返らせるシーンがとても好きです。