拝啓、父上様 DVD-BOX
丁寧に丁寧に作られたドラマ。あざとい展開は一切無く、平凡に見える日常の淡々とした流れを時折きらりと光る切り口で綴っていく。
圧巻はやはり八千草薫と森光子のガチンコ勝負か。言葉遣いから着物の着付けまできっちり描き分けられた二人の女。愛らしく頼りなげで世間知らずにさえ見えるほうが玄人で、しゃっきりと強く自己抑制のきいたほうが素人なのが面白い。が、かわいい愛人が実は風にしなう葦のように頸い精神を持ち、しっかりした未亡人が実は今にも折れそうな心をプライドで支えていることもふと感じさせてしまう。ドラマとはこういうシーンのためにこそあるのではないか。
そして主演の二宮和也の演技は素晴らしい。こぼれ落ちそうな細やかな感情の襞を全部掬い上げたかのような表情。感動は細部にこそ宿ることを本能的に知っているのだろう。
私が好きなのは周囲の大人たちがいつも彼を信頼し、いろんなこと・・・運転手、家出人探し、現金盗み出しまで・・・を頼むことだ。この素直で優しい青年が温かく見守られ、愛されていることを微塵も疑わせない。
そしていくつか絡み合って進行した問題は結局どれも明らかな解が示されないまま、ドラマは静かに終わる。現実の生活の中でも「きっぱりカタがつく」問題など滅多にないのと同じように。
二宮君にはまた是非こういう上質な作品で演技をみせてもらいたいと思う。やっつけ仕事で才能をすり減らさないうちに、そして20代前半にしかない輝きを一つでも多く映像に残しておいてほしい。
優しい時間
自分は結構写真集好きで、
いろんな写真集は見るんですけど、
これは大変センスが良いなと。
かなり普遍的というか誰が見ても、
何かこう感動的な何かなんだろうなというのは直感的に分かる。
とりあえず実際に手にとって見ることをおススメ。
優しい時間
「北の国から」にしろ他の作品にしろ「ノベライズ」でなくシナリオ本として出ているというのは、倉本氏の「シナリオ」という物に対しての自信の現れといって良いのだろう。
実際、放送されたドラマの出来の良さについては御覧になっていた方なら言を多くするまでもないのだが、当然根となる(倉本氏はそう言っている)シナリオも素晴らしい物であり、普通の小説と比べても何の遜色もない。
本編のドラマを観ていた人には、カットされたシーンや人物の微妙なニュアンスの違い等、興味深いのではないだろうか?
未見の方にも倉本氏言うところの「澄んだ作品」を堪能して頂けると思う。
決して派手ではないが、殆ど「バラエティ」と化してしまった昨今のドラマには無い「本物のドラマ」の一端を感じ取って頂けると確信する。
明日
1曲目がフジテレビ『優しい時間』主題歌の「明日」、2曲目がその挿入歌の「ありがとう」そして、3曲目、4曲目が各々のインストです。1曲目は、アルバム『ODYSSEY』と同じ歌唱ですが、あまりにもドラマに馴染んだ歌唱で、映像が伴うとこんなに深みの出る歌だったとは知りませんでした。また、2曲目もスローなナンバーですが、より優しさが伝わってきてよいです。あと、平原さんの声も好きなんですが、私はこのインスト・ヴァージョンが大好き!もともと、アンドレ・ギャニオンのファンでもあったせいか、就寝前はこの3曲目、4曲目だけをリピートしておくと、やすらかな気持ちになれます。インストの完成度に注耳です!
優しい時間写真集―富良野にて
北海道の風景写真集ですね☆
マスター(寺尾氏)、拓郎(二宮氏)、あずちゃん(長澤まさみちゃん)の3人の写真もちらっと入っています。
倉本聡×寺尾パパに対するインタビューで寺尾パパがにの君をベタ褒めしていて、にの君ファンの私としてはとても幸せな気持ちになりました。
にの君ファンとしては物足りないかも知れませんが、風景写真としては素晴らしいです。
写真好きな人にオススメ☆
相殺して☆3つ。