裏切りは愛ゆえに (扶桑社ロマンス)
ページ配分を間違ったのかというぐらい後半数ページにまとめが詰め込まれすぎていて、
余韻も何もなかった読後感だった。
ここまでずっとヒロインにだまされ、裏切られきっていたヒーローは
かなり精神的に煮詰まって追い込まれていただろうに、
本当に最後の数ページで何もかもあっさり納得できたのか?
いや、もっとショックなり何なりがあっただろうに、と読んでるこっちがとまどうぐらい、
突如物分かりがいい男に変身する。
水道の水をザルで受けたような結末にポカンとして「なんじゃこりゃ…」と口をついて出た。
仮面の中のアリア [DVD]
突然の引退表明をした天才バリトン歌手ジョアキムが、残りの人生を、たった一人の愛弟子ソフィアと町で見つけた美声の青年ジャンに自分のすべてを注ぎ込む。
ジョアキムを演じた方は、ベルギーが世界に誇るオペラ歌手「ホセ・ファン・ダム」という素晴らしいお方だそうで、存在そのものがもう芸術でした。重厚感のある彼の演技は、オペラの中で培われた表現力と、本物を感じます。
この作品を見て、声楽ってすばらしいなあと思いました。自分の体が楽器なのですから・・。
挿入歌「私はこの世に忘れられ」(グスタフ・マーラー)が、とてもうまく情景に溶け込んでいました。オペラの歌詞で、こんなに胸にずしんと来たのは初めてでした。
途中、アリアのバトルがあるのですが、対抗する相手が人間味の無いサイボーグみたいで怖かったです・・。