アースダイバー
中沢新一という人がどんな人で何を研究している人か、個人的にはさして興味を持ってこなかったのだけど、こういう本を書いて、それがそれなりに受け入れられているというのは、著者にとってはおそらく悪いことではない。
(20年くらい前にこれを書いてたら、もっとボコボコにされるか、あるいは一顧だにされないかのどちらかであったと思う。)
批判する人がいてもいいし、そうした批判を受けるだけの理由がこの東京論には実際あちこちにある。どうも気に入らない、こんなもんに付き合ってられないという人は、こんな本、捨ててしまえばいいのである。
けれども、捨てる神あれば拾う神あり。
洪積層だの沖積層だの、あるいは資本主義だの神話だのとアカデミックっぽく理性的めかして書いてはいるけれど、おそらくそれらの外貌そのものは、著者にとってはぜんぜん重要ではないのだろう。実証だの論証だのをもってしては決して届かない世界の闇。そこへ向けて自らの五感を作動させようとすること自体に、おそらくこの思索の意味はある。
実際にその土地を歩き回ることによって、アタマではなく、カラダで妄想する。それを無意味だと思うのなら、この本に意味はない。けれども、そこから何かざわざわするものを感じ、何かを考えようと思えたのなら、それでこの本を読んだ甲斐はあったと言えるのではないか。
評者としては、参考文献なんか離れて、もっともっと自由奔放に妄想してもよかったでのはないか、と思う。もっとも、そんなことをしたらもっともっとワケノワカラナイものに仕上がってしまった可能性は大なのだが。
地震速報機 EQA-001 31308
購入したときは無駄遣いになってほしいと思ってました。
本震が何秒後にやってくるかまではわかりませんが心構えだけはできます。
最初地元のFM局に合わせていましたが全然作動しませんでした。
現在は日本全国の情報が対象になってしまうNHKに合わせています。
アンテナは壁にセロテープで貼り付けてます。パッと見、壁にヒビが入ったように見えます。
暗いときに青い光が見えると「しっかり仕事をしているんだな」と安心します。
人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人-
なんともドキッとするタイトルですね.
このタイトルを見て,2003年2月に韓国で発生した地下鉄火災の際の写真が即座に頭に浮かびました.
まさかこんなことが起こるはずはないと思いこむことによって,頭が非常事態であるという認識に切り替わらない状態 = 正常性バイアス
集団でいると自分だけが他の人と違う行動をとりにくくなる = 集団同調性バイアス
専門家の言うことだからと依存しすぎることで,最悪の結果を招くこと = エキスパート・エラー
これらは悪いことが起こったときに,人々が考え・行動しがちな態度.
でも,それが事態を悪くするということを,豊富な事例で説明している.
結局は,さまざまな状況の中で,無意識のうちにやってしまう「思考停止」
これが一番危険ということか.
それには先入観を無くし,きちんと理解し,備えておくことが必要であると.
災害で,運良く生き残るのではない.
災害で生き残る人には,理由がある. ということを強く強調している.
災害時の対応だけでなく,日々の生活の中で自分にとって不利な状況が起こったときの心理状態・それに対する対処方法などに関して,多くの示唆に富む本だと思いました.