ロボット残党兵 零 (リュウコミックス)
COMICリュウ誌、龍神賞受賞の異形作家、横尾公敏氏の初期衝動が詰まった『ロボット残党兵』プロトタイプに大幅加筆したほぼ描き下ろしの作品です。
本編と登場人物の設定は一部重複したパラレルワールドを描いて居ます。
世界の戦場を縦横無尽に駆け抜けた本編に比べると閉塞した密林を舞台にロボット兵の実存的苦悩に重きが置かれている為、ダークで息苦しく、長く感じられますが、唯一無比の奇想は相変わらず顕著です。
気になる端役だった森徹の人物描写がより掘り下げられ、彼のダンディでちょっととぼけた魅力が良く出て居ます。
原住民の少年達の可愛いキャラクターデザインとグロテスクなロボット兵「日の丸人」達との余りのギャップに驚きますが、横尾氏のファンの方は押さえておいて損は御座いません。
3月発売のリュウ誌再刊号にも氏の新連載が掲載されるそうで、今から楽しみでなりません。
機龍警察(ハヤカワ文庫JA)
初めて読む作家だが、著者の紹介を読むとOVAの脚本を書いている人らしい。
なるほど、機甲兵装なんていかにもありそうな設定とストーリー。新人らしからぬこなれた小説だ。
警官のプライド、警察官僚の内幕、傭兵やテロリストたちの世界、など、いろんな要素が詰まっていて、舞台仕立てとしてはとても盛り沢山なのはいい。
話も、三機の機甲兵装に乗る元傭兵、ロシアの警官崩れ、元テロリストの過去を絡めながら、警察という組織内部の争いをうまく描いていると思う。
ただ、面白いんだけど、何か物足りないんだよな。比べてはいけないんだろうけど、この前読んだ伊藤計劃の『虐殺器官』のような深みというか、人間の奥深くに潜む暴力性のようなものが描かれていない。設定も人物描写もよくあるなぁという感じ。
でも、面白かったので次作以降に期待したい。なんかシリーズ化されそうな気がするし...
ロボット残党兵 (1) (リュウコミックス)
1943年1月、満州国と外蒙古との国境における露軍との戦闘は世界初の兵器人間投入戦となり、高橋技官の開発した28体の「日の丸人」ロボットが勝利した。そして・・・
荒唐無稽なストーリー、荒削りな作画、何が起こっているのか判別し難い墨塗りのような戦闘シーン等々あれあれやれやれと思いつつも、よく理解するために目を頁に近づけて何度か読み返すと、現前に立ち昇ってくる不思議なリアリティー。
頭蓋骨という「限界」から自由になった三船の脳(119頁)が肥大化して独自の進化を遂げるとき、何が起こるのか。続巻が待ち遠しい。
ロボット残党兵 2―妄想戦記 (リュウコミックス)
一部回想シーンでの登場を除いて三船は一旦後景に退き、山本五十六や大日本神民党、米軍機械化兵部隊など、新たな組織や人物が恐らく今後物語をふくらませていくであろうシーズとして登場してくる第二巻。
単に生身の人間世界の物語として描いたのであれば、物語にこれだけの重厚さは付与され得なかったであろう。その意味で、「機械化兵」という着想のもつ異化作用(効果)を巧みに操る作者の手練には脱帽する。
天空の城ラピュタ ロボット兵 手のひら菜園(ミニトマト)
注文してからの対応がとても早く、それだけで好印象を持てました。
商品に関しては思った通りと言うか、写真のまんまです。程よい重量感で簡単には壊れなさそうです。