THE TOYSゴールデン☆ベスト
中川勝彦を連想してしまったのは、安直だっただろうか。しかし美形ロック・アイドルとしてデビューするも、本格的なミュージシャンとしての活動を希望し、自身のアーティスト性を徐々に発揮していった、というキャリアの共通項だけでなく、ニューウェイヴの香りのアレンジやポップ性とハードさのバランスの取り方等、音楽的にも通じるものがあると思う。デカダンな表層の裏で割と真面目に愛を考えていそうなところも。
「Dancin' In My Heart」のような伸びやかなメロディを歌い上げるタイプの曲が良い。全体的に歌詞にせよメロディにせよ定石というか決まり文句の引用みたいなところは多々あるが、それはまあしかたないか(曲名からして「Get Ready」「Don't Let Me Down」「Do It All Again」である)。詞曲のオリジナリティではなくグラマラスなノリを聴かせるタイプであって、そういうバンドとしては充分聴くに値すると言える。ただ、ヘッドフォンでじっくり聴いても、ツイン・ドラムならではのリズム・アレンジというのは良く判らなかった。
尚、写真を見ると鈴木享明(ギター)の口髭が妙に似合っていなくて、バンドのヴィジュアル的に良いアクセントになっていると思う。
オリジナル・アルバム3枚からセレクトされた全17曲。レア・トラックの類はなし。この『The TOYS ゴールデン☆ベスト』に限らず、たまにこういった“ざっくりと編集しすぎだろ”というコンピレーションを見かける。つまり、ベストから漏れた数曲のためにオリジナル盤を探すか、というのは微妙なところであって、それゆえオリジナル・アルバムの価値を下げてしまう罪なベスト盤のことである。CD2枚組でコンプリート盤に出来なかったのだろうか。
ROCK AGAINST THE WALL
嬉しい。YASUAKIのサウンドが帰ってきた。前作は少しPOP過ぎるかなと思っていたが、最新作ではYASUAKIのROCKが復活している。そういう意味で、バラードが効いている。3曲目シャンデリアは以前からライブで何度となく聴いていた。彼の愛娘のために書いたと言っていた。このアレンジも最高にいい!鳥肌もんですよ。
Acknowledge
紙ジャケのCDスリーヴには、YASUAKIの妖しい写真。このCDはもともと、20周年記念ライブが行われた高田馬場クラブフェイズで販売されたもの。当日は5月2日(彼の誕生日)とあって入りきれないほどのファン。
数年間のアイドルタイムを経て本格的な復活をアピールしたCDだけに熱いものがこみ上げてくる。バラエティにとんだ楽曲は、荒々しさがまた新鮮だ。
ちなみに、ジャケット写真の撮影はJAPANのように撮ってくれと本人がリクエストしたそう。
人造人間ハカイダー コンプリートDVD
本作は1995年に作られた劇場用作品ですが、作風的には後の平成仮面ライダーシリーズに通ずるところが多々あると思います。(何気に脚本家やプロデューサーも同じですしね)
物語そのものは非常にハードな展開で、正直あまり子供向けとは思いませんが、必ずしも“勧善懲悪”ではないダークヒーローの活躍は一見の価値アリです。
ある意味、アンチヒーローともいえるハカイダーの存在は異色ですが、ハードボイルドなイメージはとてもカッコいいです。
キカイダーシリーズのハカイダーが好きな方には本作のハカイダーは結構違和感あるかもしれませんが、一方でクライマックスにはキカイダーファンなら思わず「ニヤリ」としそうな場面があるのも特徴です。
このDVDに関しては当時の劇場公開版と、後に発表された未公開場面も収録したディレクターズカット版が一枚で両方楽しめるので、非常にお買い得だと思いますよ。