すベてがFになる (講談社文庫)
騙されすぎて最後なんか特に笑っちゃいましたねえ。後半の面白さは半端ないですよ。
正直犯人に関しては「そんなの当てられるわけねえだろ」という反論もありますが、実に緻密にトリックやストーリーが練られていて、そして当初そんなに重要ではないはずの人物が後になって重要な役割を果たすなどデビュー作としてはまさに規格外の作品であると言えます。いやあ、しかし、騙されれ気持ちのいい作品でしたね。
すべてがFになる (幻冬舎コミックス漫画文庫 あ 1-1)
好きな小説が漫画化する、と言うのはかなり複雑な気持ちだが、浅田寅ヲだというのはかなりのプラスポイントである。
「すべてがFになる」は、漫画にする必要の無い凄い本だ。読みたければ小説を読めばいい。視覚的な情報を絵にすると固定されてしまう。キャラクタのイメージだって個人個人で違う。つくづく漫画化なんてしなくて良い。
だがしかし、面白い。浅田寅ヲお美事。
私のイメージとぴったりだった、というわけではない。どちらかというと異なる方が多かった。イメージがどうとかじゃなしに、確かにここに「すべてがFになる」がある、という感触が感じられるから、美事なのである。浅田寅ヲが演出したFということ。同じだが別物、違うけど同一。小説ファンで漫画化したのはちょっと、と敬遠している方もとりあえず飲み込んでから考えてみると良いと思う。
すべてがFになる (バーズコミックススペシャル)
これは本当に衝撃的だった。綿密に組まれたプロットと、相対する犀川と犯人。
トリックも展開も動機なんかも申し分ない、正真正銘の傑作。
ただ、謎解きのあの車だけは疑問符。
珈琲のすべてがわかる事典
珈琲のすべてがわかる事典
ただのコーヒー好きなら、納得の入門書。
まぁまぁコーヒーにはうるさい人には、目からうろこの内容ウンチク本。
プロの珈琲関係者には、ここ最近の業界を知る情報誌。
この一冊を読めば、だれでもコーヒーを語れるようになる気がする一冊です。
すべてがFになる (講談社ノベルス)
いわゆる「本格ミステり」に体が合わないと開き直ってはみたものの、それでも多少は未練が残っていて、試しに読もうと思ったのが第一要因。以前詩んだ「奥様はネットワー力」がそれなりの読後感だったのにその後の森博嗣氏の印象が良いものでなくなってくまった「誤解」をとくのが第二要因。京極夏彦「どすこい(仮)」でオマージュ(笑)された作品はひと通り読んでみようと思ったのが第三要因。要は、何だかんだと理由を付けないと手を出せない程、警戒していたって事で。
低い期待値で読み始めたのが幸いしたか、おもしろかった<素直じゃないね。出だし早々に「天オ」が出た時には坐折を予感しましたが、舞台が愛知県だという点で踏み留まり、厚みの割にさくさく読める文体で一気に読んじゃった。
テクノロジーが進み、ケータイやメール、コンピュータの普及に併い「密室」「アりバイ」の作り方が難しくなると思うんだけど、逆にそれらの技術を応用して物語を構成している所が、この作品の評価されている所なのですかね。
動機が幾分弱い気もしますが、多分好みの問題でしょう。動機なんて万人が納得「したい」為の後付の理由なんだ...という説を何かの小説で読んだ気がします(京極夏彦だったかな?)。
単に「天才だから」で片づけるのでなく、天才と言えども理由があって行動する...「理由」を(納得できるかどうかはともかく)明確にしている点が、ボクの受け付けられなかった「本格ミステリ」とは違って、読後感も良かったです。