風立ちぬ(DVD付)
聖子さんは「風立ちぬ」のデモを聴いたとき「難しくて私には歌えない」といったん断ったそうですが、その後、何度も練習して自分のものにした、という逸話が残っております。
山下・大滝の「新春放談」だったでしょうか、この曲と格闘する聖子さんの様子を録音した
当時の音源が放送されたことがありましたが、なかなか歌いこなせない自分へのいらだちが
痛々しいほど伝わってきました。「あーん、もうイヤ!」という声は自分自身への怒りだった
のでしょう。でも結局、彼女は「風立ちぬ」を完全に自分のものにしました。
イジワルな挑戦状を叩きつけた大滝のご隠居の完敗というわけです。
というわけで、このアルバムの大滝サイドには、大滝氏と聖子さんの格闘の跡が
多々見受けられます。「いちご畑でつかまえて」なんか、普通のアイドルには歌いこなせない
と思います。ハッキリ言って、ヘンチクリンな曲ですから。それを、実力でねじ伏せた
聖子さんはスゴイ。このあたり、「松田聖子は天才だね」と常々言っている松本隆氏から
大滝氏へのサジェスチョンが何かあったのかもしれません。「この子なら、どんな無茶な曲でもクリアできるから、大滝さん、思い切りやってみてよ」とか。
ちなみに、「風立ちぬ」は、イギリスのオールディーズマニアの間では、高評価を得ています。まあ、この件について語り出すと、聖子ファンの人たちに叱られますのでやめますが。
というわけで、ナイアガラファンの私はこのアルバムは大滝サイドしか聴きません。
あと、聖子さんの曲で知っているのは、「四月のラブレター」「ROCK'N ROLL GOOD BYE」だけです。それでも、天才・松田聖子の実力には感服いたします。
「フィル・スペクターが、ニール・セダカをプロデュースしたらどうなるか?」という
大滝氏の実験につきあわされた聖子さんは気の毒だと思います。
が、そんなマニアの道楽をはるかに凌駕して、こんなすごい作品群をつくった松田聖子さん。
その声、天性の感性、そして根性・・・大滝氏や松本氏もここまでスゴイとは思ってなかったでしょう。歌姫・松田聖子に圧勝です。
(長々と書いてしまい、松田聖子ファンのみなさん、ゴメンなさい。<(_ _)>。。。)
あ、あと、このアルバムに関しては、大滝サイドのリマスターだけは、大滝氏自身にしてもらいたかったなと思います。
ミュージシャンと猫 (P-Vine Books)
きれいで、猫たちの表情もよく出ていて、いい写真集だと思います。
ただ、どうしてこの人選になったのかはわからないけど。。。
よほどの猫好きの方か、大のお気に入りの人が載っていないと、読み進めないかも。
STARGAZER/OVERLAP
杉真理さん最充実期、捨て曲皆無のアルバム2枚をパッケージ。
しかも五目風味の「OVERLAP」とコンセプトアルバムの「STARGAZER」という絶妙な組み合わせ。
リマスター、ボーナストラック、1曲ごとの本人解説と仕事も丁寧。
しかも紙ジャケCD1枚のお金でお釣が戻ってくる良心価格です。
扱いにくい紙ジャケなんかよりこちらのシリーズを推し進めて欲しかった!
オリジナルのリリースがLPでないものまで紙ジャケで再発するのは大いに疑問です。
(統一が取れないからなんだろうけど…)
杉さん、松尾清憲さん等のバンド、BOXの2in1CDもオススメです。