エビータ(オリジナル・サウンドトラック)
映画の臨場感そのままに圧倒的なマドンナの歌唱力を満喫でするサントラ盤です。中でもコンサートでもお馴染の『ドント・クライ・フォー・ミイ・アルゼンチーナ』は素晴らしいの一言!
オーケストラで聴く「オペラ座の怪人」~ザ・ベスト・オブ・アンドリュー・ロイド=ウェバー
ロイド=ウェバーがもしいなければ世界のミュージカル・シーンは大きく違っていたことでしょうし、劇団四季もその演目に困ったことは容易に想像できます。『オペラ座の怪人』の舞台を見て以来、その魅力的なナンバーに魅せられて何回も観賞してきました。メロディ・メイカーとしての素晴らしさは群を抜いているでしょう。
「オーヴァーチュア」が華麗なオーケストラのサウンドを纏いながら開幕していきます。舞台のワクワク感がまさしく伝わってくるのです。「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」「シンク・オブ・ミー」「仮面舞踏会」と大好きで美しい音楽の世界に入り込むことができて聞惚れています。舞台で、映画で、CDで繰り返し聴いてきた音楽達です。歌唱はなくてもその魅力は伝わってきますし、オーケストラだけですと、音楽の構成やメロディやハーモニーの美しさが客観的に伝わってくるようでした。
アンソニー・イングリスが指揮する名門ロンドン交響楽団は自国が生んだ偉大な作曲家へのレスペクトに溢れ、クラシック・テイストを持ちながら、ミュージカルの劇伴になりがちな音楽を交響組曲へと変身させました。勿論、根本に流れるロック・テイストは健在ですし、通常の編成ではないドラムやベース、サックスといった楽器が色を添えていました。
金管セクションが良い仕事をしていたと思います。
その他に「エビータ」より「アルゼンチンよ泣かないで」、「組曲キャッツ」、「スターライト・エクスプレス」からも1曲ずつ取り上げられていました。このサイトの視聴用サンプルの出典は、そこがずれていますね。なお、リーフレットの村岡裕司さんの解説は参考になりました。
エビータ [DVD]
アルゼンチンの寒村で生まれ、ファーストレディにまでのし上がった
エバ・ペロンという女性のシンデレラストーリーと、僅か33歳で子宮ガンで
亡くなるという悲劇、その二つが実話という重さを背景に語られます。
美しく華やかな表の顔と、狂言まわしのバンデラスが暗喩で語るその裏の
一面を合わせもったこの女性の数奇な人生が陰陽のコントラストを
持ちながら人間の姿、悲しさ、愛しさ、そして愚かさが重なり合って
垣間見え、深く、切なく、美しさが心に残って、なんともいえない心持になります。
また、マドンナの歌唱が抜群、バンデラスが、負けないくらい凄い。
この演技・歌唱、そしてロイド、ウェバーの名曲の数々をバックに
いろいろなことを考えさせてくれる映画だとおもいます。
できれば、きちんと理解するために、実在のエバ・ペロンの資料を
読まれてから、もう一度この映画を見ることをお勧めします。
なお、セリフがほとんど歌というのもミュージカルとリアル映像の
組み合わせだと割り切れば違和感はないと思います。