墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社プラスアルファ文庫)
私は日航機事故関連の書籍は数冊読みましたが、興味はなぜ日航機が墜落したのかという原因の方にばかり向いていました。「あかね雲」を読んで遺族の苦しみにも目を向けるようにはなりましたが、遺体確認作業の壮絶さを想像したことは全くありませんでした。
著者が現場で陣頭指揮をとっていただけのことがあって、内容は非常に衝撃的で、遺体確認作業の悲惨さをそのまま伝えてくれています。一旦航空機事故が起きれば、このような悲劇が待っているのだということを、世の中のもっと多くの人々が知るべきだと思いました。
医師や警察官と言えば、不祥事で騒がれることがあってもこのような大変な苦労を語られることがほとんどありませんので、そういう意味でも彼らの誠実な仕事ぶりに頭が下がる思いでした。もし自分の家族が確認される遺体の中に入っていたらと思いながら読むと、一気に最後まで読むことが非常に難しい本でもありました。
ストリートファイターEX plus α 必勝攻略法 (プレイステーション完璧攻略シリーズ)
久々にゲームで遊んでみたら、すでに技を忘れていたので、この本を買ってみた。写真がふんだんに使われていて、とてもわかりやすい内容だ! 二重丸をあげよう!
TANITA アルコールセンサー スリム ホワイト HC-213S-WH
私は宴会の時にノンアルコールビールを飲みます。とても気を付けているのですが、ひょっとして席を立っている間に私のグラスにアルコール入りのビールが入っていたらどうしよう…という不安がありました。これを持っていて万一少しでもアルコールが検出されたらその時は車を置いて帰るつもりで購入しました。今までのところ、検出されたことはありません。家でほんの少しビールを飲んで試してみたらしっかり反応するので、やはり信頼できると思っています。このような利用の仕方はメーカーの勧めるところではないのだと思いますが、アルコールをチェックできることは安心です。
いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか (講談社プラスアルファ新書)
とても興味深く読みました。
僕自身、20代の女性を雇って主に30〜40代の男性をターゲットにする商売もしているので、
実感として肯ける点も多かったです。
ただし、批判として指摘したい点があります。
本書ではキャリアを持った20代女性と、管理職クラスでバリバリ仕事をしている40代男性
がモデルの前提になっているように感じます(たびたびそのようなカップルが例として登場するので)。
しかし、20代では非正規社員(フリーター含む)の割合が高く、経済的に生活が不安定なため、
経済力のある40代男性と付き合う機会が増えている(つまり、不倫関係、愛人関係、援助の関係も高い割合で含む)
という現実の経済的問題や背景からカップルになりやすいのではないでしょうか。
20代女性は若さが経済的価値を生み出すことをよくわかっているので、
キャバクラで働くコもいれば、風俗で働くコもいます。
水商売や風俗で働いていない女性にとっても、自分を高く買う男性(高く買えるだけの資本力があることが前提)
をターゲットにするのは経済合理的な戦略であって、
相手の年齢は20代であろうが、30代であろうが、40代でもかまわないが、
同世代は非正規社員が多く、これではかりに結婚しても将来不安は解決されません。
(デートも割り勘で経済的なベネフィットがありません)
20代女性は、
結婚相手には将来の生活設計が立てられる安定した職についた男性を強く求め(年齢は不問)、
恋愛相手やセックスパートナーには、自分の価値(※)を経済的対価として高く買う男性を選んでいる、
というのが僕の周囲を通じて実感している考えであり、
この本には全く抜け落ちている視点です。
※)40代男性からすれば、20代女性のリアルな体(=セックス)にはとても高い価値をおくが、
20代男性はセックスまでもちこむコミュニケーションをとても面倒と考え、
女性を口説くためにお金をかけるぐらいなら、オナニーですませた方が
金も気もつかわなくて楽(らく)という発想になる
1万人調査の属性に「年収」というファクターからの分析があれば、
本書はもっと厚みのあるものになったのにというのが、残念な点でした。
非正規社員である息子や娘を、解雇されない安定した正規社員である親が経済的面倒をみているように、
非正規社員の20代女性を、正規社員の40代男性が(精神面だけでなく)経済面からサポートしている、
というのが今の世の中に広く蔓延している、現代的不倫関係の現実なのです。
全ては経済(カネ)ときってもきれないのです。
昔話の深層 ユング心理学とグリム童話 (講談社プラスアルファ文庫)
人の一生は四季たとえられる。それはライフサイクルといわれる。(河合隼雄著『生と死の接点』参照)春から夏は自我の形成期であり、秋から冬にかけては人生の全体性を把握し自分なりの世界観を完成させるときである。昔話により、内的な成熟過程のある段階を理解することができる。河合隼雄『昔話の深層』では西洋の昔話から西洋人の自我の確立過程を描き出している。西洋の昔話の多くのパターンは、「英雄が怪物を退治してお姫様と結婚して幸福になる」である。これは英雄(自我・意識)が怪物(太母・グレートマザー・無意識)から自立して自我を確立して、結婚により心の全体性を獲得すると解釈される。また、同じ河合の『昔話と日本人の心』では日本昔話から、日本人の心の世界を読み取っている。日本昔話では、「普通の男に突然あちらの世界から美しい娘が現われて男に求婚して結ばれるが、男が禁止事項を破り、女は去っていく」、という形で結婚は女性が申し込むということで、男は受身の立場である。ここでは、西洋の昔話と同様の理解は成り立たない。そこで河合は結婚を申し込む女性の方に注目して、分析を試みたのである。つまり、東西の自我の成熟過程には違いがあり、西洋人の自我は男女の区別なくともに男性像であるのに対して、日本人の自我は男女の違いにかかわらず女性像であらわされる。さて、昔話は共同体に語り継がれた物語である。物語の役割とは何であるか。人間は経験したことを心の中に収めるために、その経験を自分に納得のゆく物語にして生きている。神経症に悩んでいる人は、何らかの経験を自分の生きている物語にうまく組み込めていない。(『物語を生きる』参照)さて、村上の小説『1Q84』は、現代人のライフサイクルの表現として読めるのではないか。河合隼雄が『昔話と日本人の心』で見いだした「意志する女性像」(前段で述べた日本人の自我をあらわす女性像)と『1Q84』の「天吾」と「青豆」の男性、女性像の関係は何を意味するだろうか。『1Q84』を現代の昔話あるいは神話として再読したいと考えている。