ONE MORE SMILE
このアルバムは、ブリティッシュポップの流れを汲むヒネリ(毒気)の効いたメロディーとサウンドをベースとし、
楽曲の端々に細やかな音の仕掛けをふんだんに施して、緻密で計算され尽くした作品を創り上げるポップマエストロ、
という松尾清憲のイメージを、良い意味で覆してくれる作品と言えるでしょう。
収録された全ての楽曲に"歌=歌心"が溢れており、本来、彼が創り出す楽曲の一番の聴かせ所である凝ったサウンドも今回は少し控えめで、
"歌"を最大限に活かすことに重きを置いたアレンジがより一層、楽曲の素晴らしさを引き立てています。
そういう意味で今作は、過去の作品群の中で最も"歌"を大切にした、ボーカルオリエンテッドな作品と言えるのではないでしょうか。
そして、いつも以上にブリティッシュポップとアメリカンポップスの要素がバランス良くブレンドされたサウンドもポイントだと思います。
奇しくも、ビーチボーイズのオリジナルセッションによるアルバム"Smile"が間もなく発売になりますが、
"One More Smile"というタイトルといい、"Caroline No"な"Dear Mr. Sunshine"やタイトルソングといい、ホント、ナイスタイミングです。
また、デジパック仕様のケースとポップなアートワーク、ブックレットに数点掲載された本秀康氏のイラストもとても可愛くて、
フィジカル盤を手に取る楽しみを再確認させてくれる素晴らしい装丁もポイントが高いですね。
二十数年来の盟友達が中心となっているバンド、Velvet Tea Setsによる、良い意味で耳障りの好い柔らかなサウンドと、
温もりに溢れた楽曲が詰まった、まさに、聴く度に笑顔がこぼれてしまう好盤です。
松尾清憲入門編にも最適な一枚だと思います。
CDブック チョコレート・ラヴ(CDジャーナル・ムック)
遂に出ました!本さんと松尾さん究極のコラボ作品!Web上にて少しだけ聴けてた音源が完全に聴ける・・・あぁ幸せ!本さんの漫画も素晴らしい!とにかく今年最強のCDブックだ! ライブで観客みんなと歌った「マジョリティ・マイノリティ」が個人的には思い入れが深いゼ!
愛しのロージー ~THE VERY BEST OF KIYONORI MATSUO
'87発売の"KIYONORI MATUO BEST"(POLYDOR)は"SIDE EFFECT"を中心に選曲されていたが、本版は今までのアルバムの中からバランス良く選曲されている。"愛しのロージー"は"SIDE EFFECT"収録のバージョンではなく、シングルバージョン。また"めぞん一刻"オープニングテーマ曲の"サニーシャイニーモーニング"はアルバムバージョンか?アレンジが"KIYONORI MATUO BEST"(POLYDOR)とは別物。"Brain Park"(STRANGE DAYS LABEL)収録の"グッバイガール"はモノラル。等々松尾本人による、微妙なバージョン違いがある名盤。