I've Seen Everything
プロデュースが元ジェントルジャイアントのレイシャルマンであることがこのアルバムの完成度と関係していると思う。気のせいか部分的にジェントルジャイアントみたいなアレンジが出てくる。4)worked a miracleは涙なくしては聞けない、彼等の良さを代表するダイナミックな展開の曲である。繊細なヴォーカルと見事なバランスのアレンジが組み合わさったまさに名盤である。英国らしさがぷんぷんしているんで、あまたの英国ポップバンドが好きな人にぜひともお勧め致します。7)orange fellの吸い込まれるような雰囲気は本当に個性があってよい。これはやっぱ必ず聴くべきでしょう。やはりレイシャルマンは敏腕プロデューサーである。魅惑のミラクルポップスをあなたにも。
In the Music
8年のブランクを経てリリースされた前作『Weightlifting』から4年半振りのTrash Can Sinatrasの5作目。
前作が従来の瑞々しさ青臭さから大人のサウンドへ転身したような復活作だっただけに、本作もかなり期待しましたが、期待に違わず素晴らしい出来になっています。
2nd、3rdが1stを越えられずに行き詰った彼らなので、4thに続く5thもまた二の舞になるのではと心配もしましたが、しっかり大人のサウンド、大人のグルーブを熟成しており杞憂に終わりました。ただ、前作のようなサプライズも少しは欲しかった…というのは贅沢かな。
Cake
80年代初頭から始まった「ネオ・アコースティック」という動きがやや元気を無くしかけた頃、このアルバムが出ました。当時は「過去の良かった作品の焼きなおし」だとか「きれいなだけの音」とか言う人も数多くいました。しかし当時から、そして今にいたるまで、聴くたびに「やっぱり良いものは良い」と思わせてくれます。それに、このアルバムが出たことによって、いわゆる「ネオアコ」が少しだけ元気を取り戻したのは間違いないと思ってます。
1曲目のObscurity Knocksを初めて聴いた時の衝撃と期待感は今まで聴いた音楽のなかでも最も大きい衝撃でした。「これから何かが始まる」。確信もなしにそう思い込んだものでした。とにかくこのデビューアルバムだけは、ギターポップとかネオアコとかに少しでも興味がある人になら必ず聴いて欲しい。間違いなく手放せないアルバムになるでしょう。
彼らは今、4枚目のアルバムを作っているようです。もうシーンに影響を与えるとかそういう位置にはないと思いますが、彼らの音楽はこれからもずっと聴いて行くだろうし、また聴かずにはいられないのだろうなあと感じています。