天体議会
もともとNHK青春アドベンチャーというラジオドラマ番組の商品化
私は青春アドベンチャーの作品を70作品くらい聞いていますが
その中でもこの作品は特にいいです。繰り返し聞いてます。
このレビューを見て、”早口すぎる"というのを見てはじめて意識しました。
そういわれれば、早口ですし"もっとゆっくりのほうが・・"
という気持ちも出てきました。が、そう意識する前はそう思わなかったので
先入観を持たなければ平気かもしれません。
同じ著者の同じくラジオドラマで『少年アリス』もありますが、
作品としても、ラジオドラマの演出部分でもこちらのほうがこちらのほうが好きです。
左近の桜 (角川文庫)
能では、ワキ僧がまず舞台に登場し、ワキ僧の夢の中に、この世に恨みを持つ主人公達が現れ、自らの不幸を語り、ワキ僧に回向を求め、最後は成仏していくが、本書は、こうした能の作り方に良く似ている。
ワキ僧に当たるのは、主人公の少年、桜蔵。彼がトランスというか、夢か現か、別の世界にスリップした時、男を愛し、早くに死んだ者達が現れ、桜蔵を肉体的に愛することで、成仏していく。なんとも不思議な構成。
現れる男たちは、どれもこれも妖しいのだが、能と同じで、あまり怖くない。悩みも、恨みも実は良く分からない。そのあたりが本書はちょっと弱いかな、と思ったが、話の作り方としては成功しており、面白かった。続編も、同様の手法で書かれており、セットで読むと一段と楽しいが、BLを期待しすぎると、がっかりするかも。
桜蔵を、本書の登場人物は皆オンナと呼ぶが、その訳は分からなかった。続々編が出れば、そのあたりの事情も明らかにされるのだろうか。
VIEWTIFUL JOE Vol.4 [DVD]
ゲームが原作ですが、原作よりもヒーローとは?を熱く語っていて好きです。
往年の「タイムボカン」シリーズに通じるノリ、軽薄かつ単純かつ、そこには熱い魂があります。
子供と見ても楽しいし、意外と大人が見ても楽しめます。
12話で自在に変身する敵がロボコップみたいな姿に変身して、いきなりカタカナしゃべりになったときには不覚にも大爆笑しました。
いや、本当素直に楽しいです。
雨更紗 (河出文庫―文芸コレクション)
雨と少年…長野まゆみは水と少年を結び付けるのがとても上手いと思う。この作品では長雨と少年が取り上げられているが、他の作品でも噴水や湖沼がよく出て来る。どこかの雑誌でそれは少年の胎内回帰願望の象徴であると指摘されていたけれど、この作品に主人公と母親との関係がそこはかとなく描かれていることからも、あながち否定できない。この作品は二重人格者の少年の周りで起きる怪異話であり、少年愛の要素が濃く出ている。特に主人公の少年と青年教師の絡みは長野作品の中でもかなり官能的で気に入っている場面。作品としての評価も高いので一読を勧めたい。