作家 蛙石鏡子の創作ノート (ジェッツコミックス)
主人公の容姿が「野蛮の園」のA姐ソックリで、ああいう放埓お色気キャラが久々に見れるかと思ったら勘違いでした。逆にツンデレ系純情姐さん、ヴンダーカンマーの技師長が派手になった感じ?
作者のヒロインとしてはこっちが典型ですね。A姐タイプが好きなんだけどな。
だからエロシーンもあるんだけど、生憎と殆どがキゼン君の妄想か夢オチです。
そういうキャラで、後書きにある通りネタの過激度は抑えたらしいので、ちょっと大人しめの部分あります。
前の方と結びに関してはぼ作者言うところの「くされらぶこめ」っぽいでしょうか。一定のエロネタは入ってますけど、ややこそばゆいです。
中ほどの話はオカルトネタをちりばめた妙な味わいの掌編が続き、こっちはかなり面白い。
単にオカルトを引っ張ってくるのではなく、非常にアホらしい方向でアレンジが入っていて、使い方が上手いですね。
できれば廃案にしたという元コンセプトみたいのから始めて、ダメオカルト全開が見たかったです。
一般誌じゃ無理があるのかなあ。
「娘。」本ぷち
『大正野球娘。』のファン向けというよりは、伊藤伸平ファン向けの同人誌です(←重要)。
しかも奥様(おだぎみを氏)責任編集の家内制手工業的コピー誌です。
古くからのファンにはおなじみの、カリグラフィ文字によるあとがきもありません。
しかし主線だけペン入れの終わった下書きとか、ネームの抜粋等、ちゃんとファンが喜ぶ仕掛けは盛り込んであります。
一番のポイントは、他の同人ショップのような高い送料を払わなくても購入できてしまう所ではないでしょうか。
強くオススメはできませんが、伊藤伸平ファンなら買っておくと良いでしょう。
モルダイバー [DVD]
この作品はもともとレーザーディスクのソフトだった。未来の東京の姿が興味深く、23区がそれぞれ一棟ずつの巨大なビルになっており、その各階に家々が建っているなど現代に通じるアイディアが豊富に盛り込まれていてとても面白い。アニメとしては中途半端な変身ヒーローものと言った仕上がりで今となってはかなり子供っぽいが、若草恵氏作曲のBGMは秀逸。
楽勝!ハイパー・ドール6.4
もしパードルの連載が再開されるとなればまたそこの雑誌が潰れる事になるのだろうか? そうなると平成のダーティーペア、引き取り手もままならないことよ。仮にこの先完結まで延々このペースで続けられるとファンも楽ぢゃないね。作者が音を上げるか読者が見放すかのいたちごっこだよね〜。しかし天下のAmazonでどーじんし売っちゃっていーのかよ。
大正野球娘。 5 (リュウコミックス)
大正時代の女学校を舞台にちょっぴりの百合と緩やかだが張りの有る日常を描いてきた本作、最終巻では240頁のボリュームでしっかりと野球の試合を見せてくれます。
伊藤伸平さんはブラックで楽屋落ち的なギャグを多用する反面、「はるかリフレイン」や「キューティーハニー A GO GO!」の如月博士が亡くなるエピソード等、感動的なストーリーも描ける実力派ですので想像以上に素晴らしい試合展開を見せてくれています。
動きが無く硬直した試合中盤が逆に緊迫感をもたらし、これまでの巻で費やしてきた少女達の綿密な個性描写と特訓の成果が見事に生かされて居ます。
相手役の男性野球部員達も単なる引き立て役ではなく、当初匂って居た男尊女卑的感情が薄れ、東邦精華女学院チームに尊敬を持って知略と力を尽くして戦うスポーツマンとして描かれており、実に好感を持てました。
最後は少々呆気ない様にも思えましたが、余韻は読者がページを閉じてから味わう物と言う計らいでしょうか。
原作やアニメを読んでいてもコミカライズ作品を別物として楽しめる方、野球漫画ファンの方、そして伊藤伸平さんのファンの方にもお薦めです。
P.S.伊藤伸平さんのあとがきは創作時の苦労話が描かれて居ます。