ワン・クワイエット・ナイト
久しぶりに感動した。なぜPATは今までつくらなかったのか、個人的には不思議なぐらいだけど、初のソロアルバム(?)。PAT METHENYやPMGについては、今まで緻密で透明なサウンドを「創り上げた」アルバムが特徴的と感じている人も少なくなかったと思うけれども、このアルバムに計算は一つもない。ただひたすら無心にギターをつま弾くPAT METHENYが目に浮かぶよう。
ギターの上手い友人の家に行って、その友人が無心で弾いているギターをぼーっと聴いているような、ただそれだけだけれども、その友人の独り言をずーっと聴いているような、その友人の最もプライベートな一面を見たような気になる....というような感覚に襲われた。彼のギターの音や、彼の世界が自分の深いところにしみこんでくる。気がついたらアルバムを最後まで聴いていた。
個人的なPAT METHENYへの思い入れを差し引いてもおすすめのアルバムだと思います。
READINGS〈1〉建築の書物・都市の書物 (10+1 Series)
きょう日、出版されている書籍は多岐にわたります。
専攻分野に応じて、各々に読み解かれていることでしょう。
建築も広義には、複雑な系を成していますね。
多くの人がこんな風にお思いかと考えます。
「正直、どの本を手にとっていいのやら〜」
学生なんかは先達に意見を仰ぐほか、
なかなか良書に巡り会うのは難しい。
さらには、基本文献をおさえながらも、
一方では気になる話題もあるじゃないですか。
そういった本の、迷える森の道先案内を、
本書にさせてはいかがでしょう。
専攻によって必読すべき古典と、
いま注目のテーマをあわせて紹介してくれますよ。
自分で選ぶにしても、
ひとつ参考にしてみてからでも遅くはないと思います。
※
ちなみに「思想」などの周辺分野について。
厳選され、もちろんいいセレクトなのですが、
門外漢にはちとキツい。
用法・用量をきめ、弁えた方が賢明です。
NHKいないいないばあっ ! ~旅がらす ワン太郎~
普通の童謡も車で聞かせてるけど、聞いているっていうより、音楽が流れているって感じだった。でも、このワンワン達のノリノリの音楽は、聞いて踊って、1歳半ながらに、話して歌ってます。ワンワン達の話す擬音語を習得して言葉数も、断然増えました。クールなだんなまで、歌ってしまう、恐るべしCDです。
美しく怒れ (角川oneテーマ21)
個人の腹の虫の問題ではない。人間として、人間に対する憤り。
もっと壮烈で、ひろくて、純粋なやつを私はけしかけるのだ。
「はじめに」より抜粋
文章を目で追うだけで、強い生命力を得られる本です。
本文は、子ども、サラリーマン、高齢者、夫婦関係にも話がおよび、
怠惰なくらしや、つまらない生活を漫然とつづける人々、
誇りと尊厳を奪おうとする大人たちを語ります。
岡本太郎氏がみていた社会を、まるで岡本太郎氏の横に並んで、
一人の観察者として見ているような錯覚におちいりますが、
ふと、それは自分であったと気づかされる瞬間があります。
「何故か、生きている感じがしない」ときには心に刺さる名言ばかり。
岡本敏子さんの、太郎氏を包み込むような視点もいい。
羊の皮を剥ぎ内なる獅子を目覚めさせたい人におすすめです。
MOON CHILD [DVD]
Gackt(ミュージシャン)の原作で主人公二人もミュージシャンという事で、正直あまり期待はしていなかったのですが、見事に裏切られました。勿論、いい意味で。
全編を通して青春時代独特の、直視できないような甘く、もどかしい切なさがあふれています。
そして、それと相反する永遠への憧れと哀しみ。
特にHYDE。演技が上手いわけではないのですが、絶妙な「人間ぽくなさ」で日の光の下で生きられない生きものの悲哀が浮き彫りになっています。
映像も科白回しも全て細心に作り上げられた美しい映画です。
キャッチコピーが個人的に今イチなので星4つですが、美しいもの好きの方、青春もの好きの方には是非観てほしいです。