TO 楕円軌道&共生惑星 ディレクターズカット版 ツインパック [DVD]
星野作品の映像化としては文句なしの最高傑作でしょう。
とにかくアニメとは思えない映像美なので、それだけでも
見る価値は高いと思います。アクションだけのおバカ映画
ではなく、味わいある大人の作品に仕上がっています。
ブルーレイはさらに高画質、高音質です。
星を継ぐもの 3 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
J・P・ホーガンのSF小説の傑作を星野之宣がコミック化したこのシリーズも、第3巻。読むたびに興奮が募るこのシリーズだけど、この第3巻も予想通り、期待を裏切らない出来だった。
この二人の組み合わせなら、もちろん問題ないって言いたいところだけど、やっぱりどんな巨匠同士でも合う、合わないはあるもの。でもこの二人の組み合わせは、原作小説の良さを消すことなく、むしろ、それを高めるような星野之宣の画力だった。
しかし、ストーリーも面白いなぁ。原作もだいぶ昔に読んだはずなんだけど、この第3巻も、異星人と地球人との関係、そして今なお地球を支配しようとする謎の勢力の出現など、すっかり内容を忘れてしまっていて、改めてドキドキして読み進めてしまう。
しかし、このストーリーで原作者のJ・P・ホーガンが訴えたかったこととは何だったんだろうか?好戦的な人類が結局、人類を滅ぼしてしまうのか、それは人類のDNAに刷り込まれていて直しようがないのか?深い話だなぁ。
血引きの岩 (ソノラマコミックス)
旧朝日ソノラマ、現朝日新聞出版社刊の『ネムキ』に2002-2004年、非定期掲載された連作短編「血引きの岩」シリーズ4編を中心とした短編集です。
内容は日本神話を基に黄泉の国の封印が開き、死が日本列島を席捲する危機を神に選ばれたと思しき女性が防ぐ伝奇ホラーアクションです。
心の傷を隠しながら他者を助ける為に奔走する慈母的女性キャラクター、御巫(みかなぎ)が魅力的です。
星野氏がスターシステムを発動し、ブルーシティ・シリーズのドクター・ジェノサイド、ヤマトの火シリーズの広目と同系の美形キャラクターが主人公を助ける法力を持った僧侶「慈厳」として久々に登場します。
作者のホラーに関する考えと自省を読む事が出来る前書き「著者のことば」付きです。
他の収録作は以下の2編。
ぶんか社ホラーM1995年掲載「マレビトの仮面」
潮出版社COMICトム1993年掲載「土の女」
単独で読むと充分恐く面白い作品ですが、氏の素晴らしいデッサン力と硬質のペンタッチがおどろおどろしいホラーには少々不向きで、損をしています。
但し「宗像教授伝奇考」等の伝奇推理アクションに超現実的な怪異や物の怪を加えた内容は充分水準以上の出来です。
第3話の冒頭、死の世界の黄泉醜女達による飛行機への襲撃シーンのアクションは見事です。
紙質は良いがカバーが付かないコンビニコミック形式で、このサイズ、厚さの単行本としては廉価でした。
星を継ぐもの 4 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
他の方のレビューでも書かれているように、終盤の展開がややあっけない感じなのと、
ちょっと表現の軽いシーン(星野氏の他の作品でも見られるような感じの)があるので
1〜3巻の張り詰めたような格調の高さが、最後でやや落ちたような気はしました。
しかし全体を通じては、他に比肩するSFコミックはないのではないかと感じるほどの
傑作になったと思います。
特に、チャーリーとコリエルが登場するシーンは感動しました。1巻から読んでいたら
誰もが必ず胸を打たれるのではないでしょうか。
星野氏の手腕とコミカライズの威力を感じました。