モンシロチョウ―キャベツ畑の動物行動学 (中公新書)
著者は動物行動学の教授ということで、僕は動物行動学というとコンラート・ローレン
ツくらいしか知らなかったので、ほ乳類や鳥類以外のこの学問には初めて触れたのです
が、昆虫での方法論に興味津々で読み始めました。
読んでみると「動物がある行動をとるのはなぜなのか」をつきつめていく、動物行動学
的方法論は、対象が昆虫であっても無理なく使えるし、むしろサンプルを惜しげもなく
使える昆虫は、(小さいという難しさはあっても)魅力的な対象なのだと感じました。
内容は、モンシロチョウの行動の「なぜ」に着目し、「こうじゃないか?」という仮説
を立て、実験で確認し、仮説の当否を検証していくという、ファーブルがやっていた事
にとても近い研究だなと思いました。
とはいえ学者さんの研究なので、ファーブルのような文学的な擬人化などは望むべくも
なくしっかり学問的なので、低年齢だと興味を持続させるのはつらい部分もあるかも知
れませんが、読み終えると知的な興奮が十分に味わえる深い研究だと思いました。
とはいえ研究の結果発表一本槍ではなく、実験が成功した時の喜びや失敗した時の失望
など、著者の感情はいろいろちりばめられているので、そんな人間性を楽しめる本にも
なっていると思います。
世界チョウ図鑑500種―華麗なる変身を遂げるチョウとガの魅力
翅を開かれた状態での全頁なら文句なし!だったですが
色々なアングルからの写真がズラリ
本の趣旨はちゃんと書いてありましたが、よく読まずに
表紙と中身が同じだと思って買うと、ちょっとズデッ!とくるかも
包みを開けて一見「小さいな」と思いきや、意外と分厚いです。